鎌倉らしい佇まいと もてなし
2009年 04月 29日
ここは鎌倉の駅から数分のあるお宅です。 手入れされた庭は まさにこれが日本庭園といった落ち着いた佇まいで、この家の主のこだわりが感じられます。 先日テレビで紹介された 桂離宮を思い出しました。
あいにくのお天気でしたが、そのおかげで 飛び石がしっとり春雨に濡れて 新緑の緑とのコントラストも見事。ため息が出るような佇まいのお宅なのです。 この庭は京都の庭師の方に相談して 長い年月をかけて完成されたのだとか。奥に見える石灯籠も庭とのバランスを考えて据えられているそうです。
庭を見回せるように廻り廊下には 懐かしいデザインの椅子とテーブルが置かれています。 鴨居も桟も窓ガラスも 文句なく綺麗に磨かれていて、住む人が丁寧に暮らしていることが容易に想像されます。 我が家も磨かなくては・・・反省。
実はこの夜は ある集まりの食事会に招かれたのですが、出されたお料理はどれもこの家の若奥様の手作りの品々。 こちらはこの庭で採れた筍の木の芽あえ。 上品な味と採れたての食材だからこその風味と食感です。 奇を衒ったメニューではなく、旬の食材をそのまま体に優しい調理法でしたてたものばかり。しばらく無言で箸を運びます。
蕪と生海苔のスープ。桜エビの紅い色が 食欲をそそります。 蕪は皮ごとこっくりと煮含まれていて、とろみの中に 蕪の香りが凝縮され 甘ささへも感じられる絶品のお料理でした。
お料理は他にも 地の野菜と甘鯛にアサリの出汁が効いた奉書包みや、香辛料の意外な味付けのチャパティ、蕗と筍のバジルソース、野蒜のトースト風などなど・・・。 シャンペンで始まり 美味しいワインもいただきながらの ゆったり楽しい食事会は延々と続いたのでした。最後にいただいたのは ほうじ茶のゼリーとチャイです。 口の中がサッパリとしたあと、本格的なチャイのあの香りとマイルドな味わい。 文句無しのデザートでした。
それにしても 招く側のきめ細やかな心遣いが お料理のいたるところに感じられるのは 本当に気持ちのいいものですね。 初対面なのに 同じテーブルで食した誰もが もう親しいお仲間のように感じられます。
日頃から私は 食を共にすることこそ 最高のコミュニケーションだと思っているのですが、この日はそれを改めて痛感した夜でした。 招くほうも招かれるほうも もてなしの極意とでもゆうのでしょうか、 実に心地よい空間で過ごした貴重な時間でした。
思いがけない楽しいオマケがありました。 それは・・・ 雨音が強くなったかなあと思ったら、なんと今年初めての蛙の合唱が始まったのです。 蛙って こんなに早い時期から鳴きましたっけ? 静寂な時間と鎌倉らしい佇まいのコラボレーション。 久しぶりに贅沢なひと時を味わうことができた一日でした。
美しさというバランスでたたずんでいるそんなのが
心地よいですね。
素敵な時間をすごされましたね!
お料理も素敵。食とその空間を共に共有するのは、親しくなる最高の近道ですね。mikiさんのところでそのことは大いに勉強しました。
はい、私も久しぶりにため息が出るお宅でした。 庭もお宅も素敵でしたし、お手洗いも 昔懐かしい造りでした。 古さが逆に新しさに感じました。
もてなす心って、 お料理の豪華さではないと思うのです。 もっと謙虚なところにあるような気がします。
お料理も お住まいも 暮らす人の生き方が出ますね。
私ももっと勉強しなければ、そして大切なことが何か もう一度あらためて考えさせられました。
同じ空間で 同じものを食することで喜びや感動を共有できること、これがコミュニケーションへつながるのだと思います。 とてもいい刺激をいただいて帰りました。
こんどご一緒にいかがですか?
私とは住む世界が違う方なんだろうなぁ・・と思いました。
「桂離宮」は2度行きましたが前回のテレビの放送で今一度すごい建築物なんだと・・驚かされました。こんな立派なお家にお招き頂くなんて、それはすごいですね。
このお宅にいると、時間が止まったような気持ちになりました。 竹内まりやのCDジャケットに出てきそうな 由緒正しき縁側(笑)で、ぼんやり庭を眺めて過ごしたいです。
お料理もおいしかったし、若奥様も 大奥様も素敵な方でした。 できれば また季節を変えてお邪魔したいお宅です。
独特の香りと ゆったりした時間と空間。 お料理の美味しさはもちろんですが、これ見よがしのおもてなしよりも 落ち着いた佇まいが より一層至福の時を飾ってくれるのでしょうね。
私も桂離宮の番組見ましたが、あまりの見事さに ため息でした。 そしてこのお宅も・・・。 家に見合ったお庭があり そのバランスも大切なのだと思いました。 年月をかけてでも こだわりの庭を作ったご主人の信念がそこはかとなく感じられるお宅でした。