イチジクとシャリンバイ

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 寒い朝ほど お昼間はぽかぽかと暖かい。厳しい寒さはこれからだろう。北国の寒さはこんなもんじゃない。ふと早朝の丹沢のくっきりとした山肌を眺めながら里のことを思い出していた。
 気持ちが伝わったのか、昼前に父から電話がはいる。
 「げんきだが? かあさんはもりおがさいったじゃ。あいかわらず じっとしてねなあ。ははは。」
 よろこばしいのだ。声が弾んでいた。父も愚痴っぽく言うけれど、内心は元気で出歩く母を悪くは思っていない。今年の春の入院時には 母が救急車で運ばれるのを見て涙した男だ。80過ぎの父が おろおろし、そしてなす術無く号泣する。そんな光景を想像するだけでいたたまれなかった。
 母はきっとデパートに歳暮の準備で出かけたのだろう。送り先には鎌倉もはいっているにちがいないのだ。たまにはおいしいものでも食べなさいと とびきりのハムやジュース、チョコレートを贈ってくる。箱に入って熨斗がついているのだ。母のけじめなのかもしれない。いまだに宛名は元夫。

 
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 「こどしはっす、あじさいがあんまりきれいでねのっす。うらのホップもいづのまにがきられでしまってだっけし、ウメモドキどナンテンぐれだなはん まんつ適当にあづめでおぐるがらっす。まってでけでや。」

  いつも野菜や果物、冷凍食品から肉魚まで、4個口にして送る母は ドライにしたリースの素材も一緒に送ってくれる。猛暑の夏は寝ている日も続き、山を歩いて見て回れなかったと私に詫びる母。無理はしないでと言っても母の耳には入っていかないようだ。丹念に梱包し、実がこぼれないようにして送ってくる。

 
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  私が作ったイチジクのコンポートは赤ワインとグラニュー糖で、写真上のぷっくりしたほう。母は皮を剥き ザラメだけでこっくり煮たらしい。ワインもブランデーももちろん水も加えていない。まるで栗の甘露煮のようだ。さらっとしていてワインの香りがする私のイチジクと年季が入っていて丁寧な仕上がりの母のイチジク。どっちもおいしいけど。。。。いわずもがな、だね。

  大きな黒い実が欲しくていろいろ探して歩く。まるでワインになる日を待つ熟したブドウのようなシャリンバイ。紫から深いえんじ色のグラデーション。バラの実やコケモモが若い女性なら、年を重ねて円熟みを増したミドルな女性のようにも見えるシャリンバイ。さあ、どんなリースを作ろうか。

 
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Commented by デコ at 2010-11-20 19:31 x
↓の贈り物嬉しいですね。色々詰まった玉手箱ですね。やはり都会では集められませんね。親はいくつになっても子供の事を思っているのですね。mikiさんが元気なことが一番の贈り物なのでしょうね
Commented by yasukon20 at 2010-11-20 21:39
お父様のお優しいお気持ち 電話から伝わってきて またmikiさんのお気持ちにも応えられるように素敵なお父様ですね。
お母さまも素敵♪ 夏に見せていただいたお写真を思い出しております。嬉しい故郷からのプレゼント♪
素敵なリ-スになることでしょうね♪
ミスチルがお好きですか?(笑)
こちらでありましたコンサ-トに3年前ぐらいに行きました。
桜井さん素敵でした♪
Commented by azumi298-i at 2010-11-20 22:00
お母さまからの優しく温かな贈り物、やはり今年も届いたんですね。
読んでいるこちらまで 心がほっこりと温かくなります。^^
お父様もお母さまも いつまでもお元気でいてくださいますように。
Commented by uransuzu at 2010-11-21 10:25
遠く離れていても・・・いつもいつも想いあっていらっしゃる
ご両親とmikiさまのお話には、つい・・・ほろり・・・とさせられます。
北国の方の方言って暖かいですね❤
Commented by miki3998 at 2010-11-22 09:04
★ デコさん、おはようございます。

  玉手箱、です、本当に。都会でも公園にはいろいろな樹木が管理されていますから、よく見ると実のなる木があります。駒場公園、砧公園、鎌倉だと笛田公園や海のそばの海浜公園。松ぼっくりだけではなく、やしゃぶしやマテバシイなどあるんですよ。

 親のありがたみは私だけではなく皆さん感じていることだと思います。言葉にしなくても思いが伝わるのが家族。でも言葉にしてもっとわかり合えると思うので、できるだけ電話や手紙で、たまに里帰りで元気な様子を伝えています。安心できる関係がいいみたいですね。「おめだぢが げんきでいればいいんだ。」いつも父はこの言葉を最後に言って電話を切るんですよ。
  
Commented by miki3998 at 2010-11-22 09:08
★ yasukon20
 
  父も母も元気です。年々声にはりがなくなり、風邪も引きやすくなっていますが、用心には用心を重ねて、自己管理に気をつけているようです。
 ミスチル、次男坊が大ファンなんです。これは一番新しいアルバムで、DVD付きです。ラジオの音源にすればと貸してくれました。 ファンクラブに入っているので コンサートはほとんど行ってますね。一度私も連れて行ってほしいのですが。。。チケットはガールフレンドと一緒!?かな。 桜井さんの生き方にも共鳴しているようです。 素敵ですものね、彼。
Commented by miki3998 at 2010-11-22 09:12
★ azumi298-i さん、おはようございます。

  今日は満月、朝方スタジオに向かう時、まだまんまるお月様が空にくっきりでてました。午後からは雨模様になるらしいですね。
  田舎はもうすっかり冬支度もととのい、しそがしい暮れにむかい、ゆっくり時間が流れます。いくつになっても主婦として全力で頑張る母なので心配ですが、さすがに今年は体をいたわりながら無理はしないでと言っております。 どこにいてもお互いを気遣う親子でいたいです。そうしてもらってばかりの 情けない私ですが。
 
Commented by miki3998 at 2010-11-22 09:20
★ urasuzu さん、コメントありがとうございます。

  おたがい、そろそろ自分や家族の健康の話題が一番気になるところでしょうか。 両親がそれぞれ病院のお世話になる時期なんでしょうね。父は気難しい人でしたが、年々丸くなり、母や私の家族を一番に考えてくれています。父のような生き方、好きですね。 あとは一日でも長く元気でいてくれたら何も言うことはありません。

  
Commented by harunoyokihi06 at 2010-11-22 21:29
おばんです。
私も今日、野葡萄のきれいに紅葉したのを見つけ少しいただいて帰りました。
そこにはサオトメカズラの金色の実やイボタノキの黒い実が絡まっていました。
それを見てmikiさんを思い出しました。

花巻のご両親いつお話をうかがってもその温かなお人柄にこちらも胸がじ~んとします。
本当にいい御両親!
Commented by miki3998 at 2010-11-23 13:57
★ harunoyokihi06 さん 休日の午後、龍馬をみています。

  ノブドウ、賢治の童話にもよく出てきます。東北の野山には あの紅葉した野葡萄が微妙な色合いで 葉も実も絵のような景色になっているんでしょうね。ブログを見ました。あのかごにとってもよく似合っていましたね。
 四季を通じて変化してゆく植物を見て歩くのって、本当に楽しい。 どこかで思い出してくれる友がいる 感謝、この言葉しかないです。
 
 おらえのとうさんもかあさんも どごさでもいるおやだもの。
 たぶん みんなのもそだどおもうのっす。 わすれねよにかきとめで じぶんさ いいきがせでいるのっす。なんにも とぐべづなものは ねぇよ。
by miki3998 | 2010-11-20 13:20 | お気に入り | Trackback | Comments(10)

風と海と丹沢が好き。山の家での毎日を綴っています。鎌倉FMのパーソナリティです。


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