母のイチジク
2011年 10月 16日
そうか、もうイチジクの季節か。。。
季節は暦の上だけではなく、八百屋の店先に並ぶ果物からも感じ取ることができる。
この時期贔屓の八百屋から「イチジク入荷しました。」の連絡がはいることになっているけれど、今年は台風の影響なのか、調理用のイチジクが品薄な上に値段が高騰しているとのこと。さすがに実家の母もまとめて買うことを躊躇している中、父方のおばの庭に実ったイチジクが送られて来たとのこと。そう多い量ではないので、調理して送るからと出来上がったコンポートが荷物の中に入ってきた。いっしょにラッキョウも入っていた。どちらも私の好物であり、忙しいだろうから作ったものを送るねという母の心遣いも嬉しい。
いつもならブランデーとザラメでこっくりと煮含めるのが母流。どちらかというとグラッセのように味も濃く実もしまった出来上がりになる。でも今年はもらったイチジクがほぼ完熟に近かったことと、料理上手なおばの作り方を真似てレモンといっしょに軽めの味に仕上げたコンポートにしたそうな。早速仕事の合間のコーヒーブレークに味見をしてみた。さらっとしたシロップは少し酸味があり、丁寧に皮をむかれたイチジクが口の中でとろけるようなふんわり柔らかい食感。これもまたいい。
荷物は4個口、野菜に肉、干物や油、醤油や餅米に混じって秋田のもろこしもはいっていた。
イカはさっそくイカ飯に、鮭は一切れずつラップに包んで冷凍にした。ゴボウはささがきにして根菜類といっしょに豚汁にしようか。。。
少しづつためておいて箱に詰めておいたのだろうなあ。野菜も丁寧に新聞紙に包んで痛まないように詰めてある。包装紙もプラスチックの容器も、後で使えると思うのだろう。今回もラッキョウとイチジクはこんな容器にはいってきた。
蓋をみて笑ってしまった。
「 あはは、とうさんがすぎなキムチだったのっす。容器ばりいっぺたまってらったがら そいづさいれだよぉ。 におったったっか? 」
「 いやあ、だいじょうぶだっけ。 うんめなはん、こどしのイチジクも。ラッキョウもいいあんばいだっけ。ありがどね、かあさん。」
年のせいで物忘れも激しくなり、自信を失いがちは年寄りだ。あれほどしっかりして なんでもこなし気持ちもしっかりした母でも、父や弟からあれこれ注意されることが増えたらしく、荷物に添えられた手紙に弱音が吐かれていた。 悲観することなどない、この私でさえ ポカばかりだからと電話で励ましたけれど、ちょっとだけ寂しさがよぎった。
「 なんだかんだいっても とうさんもマウイだぢも みんなありがでど おもってらがらっす。しんぺしねくていいんだよ、かあさん。」
電話ではさらっとそう言ったけれど、「 わがってらもや。」という母の声が力なく感じて、昨夜母に長い手紙を書いた。 まだまだ大丈夫、いざとなったら いつでも飛んでいくと書き添えた。
集めてきたヘクソカズラを洗って乾かす作業も、今日のような秋晴れの元だと鼻歌まで出てくる楽しい作業だ。黄土色の実が時間とともに黄金色のビーズに変わってゆく。花の上にベールのようにかけてもいい。いや、大切にしまっておいて 11月のリース作りの素材として活かしてあげよう。
これからの週末は素材探しの散歩が続く。 歩いて歩いて もっと奥まで歩いて。。。
西日で背中が暖かく感じる頃合いをみて 森から帰ってくる。
そんな秋の夕暮れも悪くはない。
宅急便、残念ながら間に合いませんでしたね。
母も父も 以前に比べればすっかり年老いてしまって、思うように体が動かなくなったようです。それでも可愛い孫のために気力に任せて家事をこなしています。もう78歳と84歳、当たり前と言えば当たり前ですね。 おっしゃるように 今度電話で話してみます。
イチジクね、私は緑色の熟していない小振りのものを買って作ります。一度煮こぼしてからブランデーかワイン、グラニュー糖でコトコト煮含める。1キロのイチジクにワイン1本、砂糖はお好みですが、長く保存するためにも濃いめに味を付けたほうがいいみたいです。 完熟のイチジクが出回ってますが、皮を剥いてからのほうが舌触りがいいですね。緑のイチジクはけばだっていないので 皮はむきません。トライしてみてください。
私も生のものは先日いただきました。完熟したイチジクなら 何もせずにそのままでもおいしいですもんね。
ヘクソカズラの花は白くて真ん中がアズキ色の小さくてかわいい朝顔のようなラッパ型ですが、あの花がこんな色の実になるんですよね。 多少葉や茎が臭いますが、乾かして葉を取り除くと大丈夫。探してみて下さい。