STUDIO PLANTS流 お正月のしつらえ
2012年 12月 26日
街角に松飾りを売る屋台を見かける時期になりました。今年の仕事も佳境に入り、ツリーが出たままですが、昨日からお正月のしつらえのレッスンが始まっています。
こちらはOfficeTOYODAのエントランス、玄関ドアにヒカゲノカズラを真っ白な水引きで縛り飾ってみました。ヒカゲノカズラは長野の友人から送ってもらったものです。京都で手に入れたものはすでにリースに使い無くなっていましたので、あらためてお願いして届けていただきました。
古代植物の中でもヒカゲノカズラはすでに4億年前から陸上に生息していたとか、。。古事記や万葉集にも出てきますが、神聖な催事の際に身にまといながら踊ったとされるシダ植物です。京都の伏見稲荷の大山祭では、参拝者にお神酒とともにヒカゲノカズラが授与されるそうです。一年中青々としていて枯れず生気があることから、お目出度い植物として使われるのでしょう。
リビングには蛇の目松と橙色の千両を生けました。和花の世界は引き算だと思っています。洋花の世界はより華やかにと花材を足していきますが、和花はその姿や色、枝先や時には葉の裏側の表情まで大切にします。余計なものを取払っても広い空間の中にしっかりその世界が存在する。。。厳かな気持ちで新年を迎えるにふさわしい松の凛とした美しさを見ていただければと思います。
パチパチと薪が燃える音と赤々と立ち上る炎のストーブを一緒に写したのは、そこに暮らしがあり、単によそゆきの生け花をお見せするのではなく、生活の中での草花との関わりや思いも知っていただきたかったからです。さて、明日のお稽古の準備に入ります。
(大王松と稲穂、蘭を飾る)
(レッスン後のランチ風景)
(小淵沢で作ったリースがいい感じに。濱中史朗作の器と)