つるとはな

つるとはな_b0083902_00282436.jpg
  仕事の資料を集めに横浜へ。
  大きなバッグを両肩に振り分け荷物のように背負い、それでもまだ探している雑貨がありましたので、駅ビルの中をブラブラと。久しぶりに大きな本屋さんを覗いて見つけたのがこの本です。いつもは鎌倉駅前にある「たらば書房」というお店を利用していますから、あまり他で本を買うということもなくなっていましたが、「つるとはな」というタイトルに興味があってパラパラめくってみました。そこで目に留まったのが「初公開 須賀敦子からの手紙」という記事。しかも創刊号と2号が並んで置いてあります。特集は前編と後編に別れていて、これは2冊とも買わなくちゃと、他はあまり目も通さずにレジに直行。週末にじっくり読みました。なんとこの本、昨年11月に創刊号が発売になり、今月初めに2号が発行されるまで10ヶ月近くかかっているんですね。しかも裏表紙にそれぞれ「伊勢丹」と「とらや」の広告が載っている以外には、1ページも宣伝広告がないのです。内容はおよそ80代の国内外の女性の記事がメインです。センセーショナルな特集があるわけでもなく、ファッションや流行の話題が載っているわけでもない。マットな感じのグラビアがちょこちょこっと、はじめからおわりまで同じ温度という感じです。


  
つるとはな_b0083902_00515761.jpg

  最近の雑誌事情に詳しいわけではありませんが、趣味嗜好が細分化されているように、雑誌もジャンル別、年代別、地域別、さまざまなライフスタイルに合わせた週刊誌、月刊誌が続々と出ては消えていきます。女性に人気の料理本やファッション雑誌も売り場狭しと並べられ、積み重ねられている中から選ばれること自体、その本のアピール度は高いということになるかもしれません。それを考えれば表紙は大事。ジャケ買いという言葉がありますがまさにそれ、鎌倉在住の料理家ホルトハウス房子さんご夫婦の日常のひとこまを切り取ったような動きのある表紙に「あら?」という感じで目に留ったのでした。そしてこのタイトル、『つるとはな』。。。。


 
つるとはな_b0083902_02023955.jpg

「ねえねえ、おばあちゃんの名前ってなんだった?」という他愛ない会話から雑誌名が生まれたとあります。
本のテーマは「人生の先輩に聞く」。創刊号には二文字の名前のおばあちゃんたちが登場します。有名人でもなく、特別な人でもない、でもそれ一人一人味わいのある表情をされ、いくつかのドラマを経たおばあちゃんたち。りんさん、ますさん、サキさんにフヨさん、つねさんにエイさん。。。ほとんどのおばあちゃんが90歳代です。御髪が白かったり、額の皺が深かったりしていますが、みなさんお元気で気持ちいいくらいすてきな笑顔でご自分たちを語っているのです。海外のおばあちゃんも出て来ます。温かい眼差しとチャーミングな笑顔。赤いカーディガンがお似合いだったり、椅子に腰掛ける姿がかわいかったり。。。ページを進ませるのが愉しくなる本です。もちろんお目当ての『須賀敦子からの手紙』、前編も後編も一気に読んでしまいました。

  もしまだ見たことがない方がいらしたら、本屋さんで探して見て下さい。堅過ぎず柔らか過ぎず、媚びることなく穏やかでゆったりした本です。そしてよろしかったら持ち帰ってたっぷり時間をかけて読んでください。もしかしたら次の3号が出るまで、また半年かかるかもしれませんから。


  
つるとはな_b0083902_03463308.jpg

  そう言えばこの人も80代。人生の先輩は身近なところにも一人おりました。
  まだまだ元気でいろんなことを教えてもらわなくては。
  来週、帰ります、花巻へ。





 

Commented by aamui at 2015-07-09 04:12
ああ母に逢いたくなった!
素敵なお母様に逢えること お話しできること素晴らしいね

なんてかわいらしく素敵!(^^)!有難うございます
Commented by miki3998 at 2015-07-10 01:41
★asmuiさん、コメントありがとうございます。
北鎌倉の家のご近所には80代のおばさまたちが3人いて、それぞれいろんなことを教えてくれます。実家の母を含めて4人もお母さんがいる感じ…ありがたいです。
Commented by ok2010h at 2015-07-10 13:21
miki3998 さま こんにちは
久しぶりにお母様 ステキ!です
おしゃれで品格のある女性ですネ。
「ミセス」(私の好きな雑誌)の中に登場されるような。
(頭の中宝物が沢山詰まっているのでしょうね)
今NHKBS「心旅」は「きもちいい岩手県」を輪行中です
花巻温泉・台温泉 自然豊かで・人情味豊かなところの放映でした。
mikiさまの育くまれたところと 思い描きみました。
Commented by miki3998 at 2015-07-10 15:03
★ck2010hさん、こんにちは。

 心旅、楽しい番組ですよね。しかも岩手編、残念ながら見られませんでした。友達も教えてくれたのですが、テレビを付けた時はもう滝沢村に向かうところで、花巻のどの辺りを走ったのか見れずじまい。でも火野さんが初夏の岩手を自転車で快走している様子は見ていてこちらまで気持ちよくなりますね。
 母は5月に生まれた2人目の曾孫に会いにきたのです。その際に写真を撮りました。化粧もせず家事に勤しむ毎日で、80過ぎても元気でいてくれるのでありがたいです。来週里帰りします。
Commented by miyabiflower at 2015-07-10 19:59
こんばんは ご無沙汰しております。
とても素敵なお母様ですね。
お人柄のあたたかさがにじみ出ていらして・・・。
私の母も80代、母のクローゼットにしまったままになっている服を着るようにと、勧めようと思いました。

「つるとはな」早速注文しました。
本屋さんで手に取ってからにしたかったのですが
近所の本屋さんになさそうなので・・・。
『須賀敦子からの手紙』に強く魅かれましたし
mikiさんの文章を読んでぜひ手元に置きたくなりました。
二冊同時に届いてしまうのがなんだかもったいないので
一冊ずつ時間をかけて落ち着いて大切に読みたいと思います。
ありがとうございます。
Commented by miki3998 at 2015-07-10 21:27
★miyabiflowerさん、こんばんは。
おかあさま、ご健在なのですね。年を重ねたからこそ似合う色があるように思います。
一緒にオシャレを楽しめるのは気持ちにもハリが出てくるようです。私は母に明るい色をすすめています。
つるとはな、ゆっくりお読みになってください。他にも興味深い記事があります。読まれましたら感想を聞かせてください。
Commented by koro49 at 2015-07-28 17:25
お母さん、お元気そうで良かった^^。
そう、まだまだ色んな事を教わらないとね♪
人生の先輩の後を、若輩者はついて行きます!
って、本だね、『つるとはな』は。
この記事リンク事後承諾で宜しく(^^ゞ
Commented by hanamomo06 at 2015-07-28 22:51
mikiさんのお母様、お久し振りです。
帽子がよくお似合いです。
いつもお美しい方ですね、そして元気!
曾孫さんに会って嬉しかったでしょうね。

つるとはな、本当にいい雑誌です。
ホルトハウス・房子さんご夫婦もいいなあ~と。
鎌倉は有名人のお宅が随分ありますね。
 
2号まだ買っておりませんでした。買おうと思っていたのに忘れていました。
私の母も体はきかなくなってしまったけど、まだまだいろんなことを教えてくれます。
母ってありがたいものですね。
Commented by miki3998 at 2015-07-29 01:54
★koroさん、おばんです。
リンクありがとうございます。光栄です。
隔月での里帰りですが、相変わらず母に面倒を見てもらっている感じです。
自分が誰かの役にたっているということがうれしいのだそうです。私は果たして母の様に生きているだろうかと自問自答の日々。
この本を送ってあげましたが、まだ反応なしです。
Commented by miki3998 at 2015-07-29 02:05
★hanamomo06さん、おばんです。
母は見かけは元気ですが、体力も落ち、足腰はガタガタ、気力で頑張っている感じです。
それでもひ孫をひと目見たくて上京しました。この帽子は昔私がプレゼントしたもので、古くなりましたが気に入っているようです。
明日仕事で着物を着ますが、夏用の絽と博多帯など、すぐ着られるように小物周りも送ってくれました。
何から何までまだまだ追いついてもいない情けない娘です。
教わることの大切さ、痛感してます。
by miki3998 | 2015-07-08 04:12 | 読書 | Comments(10)

森とラジオと食卓と…草花の仕事とラジオパーソナリティ、やってます。


by miki3998