おみおくりの作法 「Still Life」

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以前銀座で観た映画ですが、昨夜ムービーチャンネルで放送されており、息子と一緒にまた観ました。地味な内容ですが、美しい映像と独特のテンポ、主演のエディ・マーサン扮する町の民生係ジョン・メイの誠実さが淡々と描かれていて、徐々に引き込まれていくのです。
彼の仕事は、孤独死した人の葬儀を行うこと。発見された死者の部屋や残された遺品から生前を想像し、弔辞を作成し見送るのです。イギリス版おくりびとだね…とは息子の感想です。


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物語は前半大した起伏もなく、ひたすら孤独死と向き合うジョンメイの日常を追います。44歳独身の彼の几帳面ぶり、出会う人々への温かい眼差し、人の死を家族のような思いやりで見送る彼の生き方が、孤独死と対峙してドラマ全体を優しく包み込むのです。


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主演のエディ・マーサンが真面目な主人公を見事に演じ、歩き方や信号待ちの佇まい、決まった食事やリンゴの剥き方、時折浮かべる笑みや小首を傾げる動作全てに実直さ誠実さが表れています。
映像も素晴らしい。全体的にマットで濃いめの色合いですが、季節外れの浜辺に並ぶビーチハウスの映像はため息が出るほど素敵です。残酷なエンディングなのに、どこかホッとするのはキャスティングや音楽、映像の美しさにイギリス流の温かさが加わっているからかもしれません。孤独死の問題は身の回りでも起こっていること、死を見つめるということは生き方についても考えることなのだと感じた作品でした。





by miki3998 | 2017-03-27 01:12 | 映画 ・ドラマ | Comments(0)

風と海と丹沢が好き。山の家での毎日を綴っています。鎌倉FMのパーソナリティです。


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