この2月でラジオの朗読コーナー「戦地で生きる支えとなった115通の恋文」が終了しました。一年に渡り毎週一通づつ読ませていただきましたが、リスナーの中にもファンが増え、書籍化されたり舞台化されたことを喜んでいただき、心から感謝しています。
3月からは「暮らしをそぎ落とす」をテーマに、こちらの本を取り上げることにしました。初刷は2005年、料理家大原昭子さんの著書『55㎡の暮らし替え』から、4回にわたって内容を紹介します。その第一章は「キッチンは百歳まで働ける遊びの空間に」(3月27日放送)でした。単なる断捨離や節約ではなく、暮らしを小さくするための選ぶ目を養うためにも、本物を見極め、老いても自分らしく暮らすための大切なことを気づかせてくれる本です。購入してからもう12年も経つのに古さを感じない、新鮮な発見と頷けるテーマだと思います。
31歳で料理教室を開き45歳で英国留学を4年、帰国後青山に骨董のお店を開いた大原さんの潔い生き方には、少ないもので豊かに暮らす工夫やルールがありました。新しいものと古いもの、地球の東と西のものが混在した楽しい暮らしは、大原さん曰く「おもちゃ箱をひっくり返したような木造住宅、快適な暮らしへの思い切ったリフォームだったのです。2015年87歳でお亡くなりになりましたが、あの小さな体とチャーミングな笑顔の大原さんのスローライフの舞台作りは、今の私たちの暮らしにも大いに参考になるかと思います。来週の『おはよう鎌倉』ではその第2章 「リビングを念願の書斎に」をご紹介します。
月曜の朝7時、ラジオは鎌倉FM高瀬美紀の『おはよう鎌倉』でお耳にかかりましょう。