うじゃ、帰るがらっす。

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     「マウイ、ダイちゃんママ、そろそろ帰るがらねぇ。」

     「お願い、ダイちゃんママ、明日帰って。 ね、マウイが学校さ行ってがらでいいでしょ?」

     「う~ん、 わがった。 明日の朝 いぢばんでかえるがら。 やくそぐする。 」


  日曜日に帰る予定が一日延びて、マウイが学校に行く日の月曜日に帰ることになった。
  じゃあ、マウイとお別れの食事は・・・ということで、あのマルカンデパートの姉妹店『アルテ』でカレーを食べることになった。 寂しいわりには食欲があるなあ。 食べる食べる、寝る子は育ち、食べる子はもっと育つ。(笑) よしよし、それでいいの。 ワッシワッシと食べて、マウイには大きくなってもらいたい。 いっぱい食べて いっぱい遊んで いっぱい本を読んでほしい。 勉強なんてできなくてもいい。 おじいちゃん、おばあちゃんを大事にして お父さん、お母さんの働く姿をよく見てほしい。 みんなに愛されているということを忘れないでね。 ダイちゃんママは いつだって味方だからね。
  
  
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「 明日帰るのっか? あいやあ、うだば もってかえるの よういしねばねなはん。」
  そう言って 母は裏の田んぼのあぜ道へ 長靴姿で歩いて行った。
  「 もうべっこしたら ツルウメモドキもあがぐなるがらっす。 そしたらおぐってやるがらねぇ。」
   野葡萄、 ヤブランなどのほかに 野生のホップまである。ドライにしてリースに役立てたい草花。 母はどこに何が咲いているか、ちゃんと覚えていて、毎年秋になると、リースの素材を集めて送ってくるのだ。ホップなんて、私だったらきっと見逃してしまうだろう。 蛇も出てきそうな うっそうと生い茂った夏草の中から見つけてくるのだ。 母は凄い! そういえば昔、私が小学校の高学年だったろうか・・・ 母と北上川沿いに散歩に出て、野生のクレソンを採ってきたことがあった。母の眼は凄いなあと関心したものだ。食べられる植物を見つけるのが得意で、それを美味しく料理して食卓に並べる。 多分一生かなわないだろうなあ。


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 (  左が野葡萄とヤブラン。右が野生のホップ。 真ん中のマイクロトマトのような赤い実は名前がわかりません。 どなたかおわかりの方がいらしたら教えてください。)

  帰京前夜、父は口数が少なくなる。 「たった5日でも一緒にいられだごとに感謝だね、父さん。 まだくるがらっす。」 そう呟いて、痩せて薄くなった背中を流してやると、うんうんと頷いて 父はタオルで顔を洗った。

  台所で母が荷物を作っている。 花農家が育てた庭の草花を包んでくれていた。手際よく、そして私が担いで帰れるように うまいものだ。 日頃から宅配用の荷造りをし慣れた母の技といったところかな。 こんな具合↓  白い紐を肩から提げて背負えるようにしてある。流石!

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   都会の花やと違って、さして珍しい花があるわけではない。 ケイトウ、千日紅、菊、トルコキキョウ、金魚草・・・。 でもどれも作り手が一生懸命育てた草花であり、今が旬の花だ。色も形も無理がなく、ゆったりおおらかに咲いている花ばかり。 一本だって無駄にしたくはない。鎌倉に帰ったら早速水切りをしてあげよう。 母さん、ありがとうね。 

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     次に帰ってくるのはいつだろう。 
    年末は最後まで仕事で忙しい私。 正月飾りをお届けして、お客様にご挨拶。
    一年の締めを滞りなく終えることができたら、また帰ってくるからね。 
    それまでみんな元気で。 マウイ、よろしぐたのむよ。

     朝一番の新幹線で帰る私のために、母が作ってくれた我が家流「だし」(?)
     茗荷、茄子、きゅうり、オクラを千切りにしてギュッと絞ったものに
     だし醤油を加えただけ。 これがおいしい! 私の大好物だ。 
     いただきます! いくらでもご飯が進む。
     里帰りのはじめから終わりまで、母の手料理を存分に味わえた。
     
    「母さん、おいしがったよ。 ごちそうさま! 
      うじゃ、帰るがらっす。 お世話になりました。 父さん、まだくるがらなはん。」 
     やっぱりマウイは部屋から出てこなかったなあ。(笑)
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Commented by 塔子 at 2008-10-26 20:31 x
mikiさん、こんにちは。いつでも実家を後にするのは寂しいですね。
マウイちゃんの気持ち痛いほどわかるなぁ。マウイちゃん、やっぱり血筋ですね、mikiさんに似ています。
いつも、mikiさんとご実家の暖かいふれ合いに、ほろっとします。
Commented by 鷺娘 at 2008-10-26 21:22 x
 書き込み癖になりそうです。 姪や甥ってどうしてこんなに可愛いものなのでしょう。血の繋がり?と思ったこともありましたが、先日夫の方の甥が結婚、二人とも可愛いばかり…。どうしようもないのです。小さな私を叔父や伯母は同じように愛してくれたのだと年齢を重ねて感じる入るばかりです。マウイちゃんがご両親、おじいちゃま、おばあちゃまの無償の愛情に加えおばちゃまの無償の愛情を年齢を重ねるほどその深さをしみじみと味わい、心の引き出しの中に何にも換え難い大切な物となり、更に育まれ優しく心豊かになることでしょう。おかげさまで心温かくなれた秋の夜でした。
Commented at 2008-10-26 21:38 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2008-10-26 23:01
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2008-10-27 00:53
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by mai-obachan at 2008-10-27 18:21
mikiさんの里帰り編はいつもジーンとします。
アルテマルカンのラーメンが恋しいからではありませんよ!ははは。

お母様が花を包んでいる写真、とてもいいですね。
mikiさんを想う気持ちが伝わってきます。

バラ園は全然変わっていない!桜の季節も圧巻ですよね。
温泉宿泊&バラ園入場券無料のお得なプランもありますよね。
是非皆さん紅葉館へ!へへ。
Commented by nakanokeiichi at 2008-10-27 19:10
赤い実
検索してみたけど これかな?
http://www.geocities.jp/matsuura_syouiti/sub88-37.html
Commented by nageire-fushe at 2008-10-27 22:07
お母様すごいですね~~
自然とともに生活されているそんな方なのですね。
これだけの花を集められるなんて素敵です。
Commented at 2008-10-27 23:55
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ozwattle at 2008-10-28 09:24
それぞれの方の暖かい思いが伝わりました。
マウイちゃんとmikiさんって親子みたいですね。
mikiさんもきっとお嬢さんがいらっしゃらないから
ことのほか可愛いのでしょうね。
Commented by モコ at 2008-10-28 11:13 x
いつもは遠く離れていれも、本当に自分のことを思ってくれる人
がいること、マウイちゃんの心にしっかり届いていますね。
>マウイは部屋から出てこなかった
マウイちゃんの気持ちがよくわかります。。。

私が幼い頃、叔母2人も同居で暮らしていました。
昼間はもちろんOLをしておりましたから、遊ぶ暇は
ありませんでしたが、休日には映画に行ってくれたり、
会社のサマーキャンプや運動会に参加させてくれたこと、
今でも楽しく思い出すんです。
きっとマウイちゃんもダイちゃんママとのこと、大人になって
大事に思い出してくれると思います。


Commented by miki3998 at 2008-10-30 04:10
★ 塔子さん、 ありがとうございます。

  マウイ、似てますか?  やっぱり。(笑) 父は時々マウイを私の名前で呼び間違います。 ははは、 確かに、子供の頃の私とそっくり。 性格まで似ています。 

  故郷って、やはり遠くにありて思うもの・・・でしょうか。
  この父の母の娘ですから、あんな風に年老いてゆくんだろうなあって・・・老後が楽しみです。(笑)
Commented by miki3998 at 2008-10-30 04:17
★ 鷺娘さん、 はい、どんどん書き込みしてくださいね。(笑)

   今夜も寒いですね。 早めに休んでしまって、おかしな時間に目が覚めています。 美容にはよくないんでしょうね、こんな生活。(笑)
  おっしゃるとおりですね。 私も叔父や叔母から可愛がられ、特に亡くなった叔母には 学生時代から母のように面倒を見てもらいました。 下宿していたので。 その叔母もガンで亡くなりましたが、生涯独身でした。 
 だからというわけではないのですが、マウイには理由の要らない愛情が自然にわいてくるのです。 まるで自分を見ているような子だからでしょうか。
Commented by miki3998 at 2008-10-30 04:57
★ 10-26  21:38 の鍵コメさん、  お返事遅くなってすみません。

  マウイに関しては 子育てがひと段落した今の私だからこそ、心の余裕を持って接することができるのかもしれませんね。 私には娘がいないし、共働きで寂しい思いをしているマウイが ちょっと不憫に思えるところもあるしね。 でも怒るときは本気で怒るんですよ。泣かせたりしてますから。(笑)

  はい、ご心配いただき、ありがとうございます。 老体に鞭打って・・・ちょっと早いですね(笑)。 コンディションを整えて、仕事、がんばります。 草花をさわって、生徒さんとお話をして、みなさんから元気をいただいてます。 感謝です。
Commented by yuricoz at 2008-10-30 14:36
お父さんの背中流すところで、泣けちゃった。。。

事務連絡
mikiさん、ホップが隠れていますっ!!笑
Commented by miki3998 at 2008-10-30 22:22
★ 10-26  23:01 の鍵さん、 お返事遅れてすみません。

  野葡萄って、いい色してますよね。 玉虫がかった紫色やローズピンク・・・このまま飾っても素敵です!

  メカ音痴の私、 教えていただいた方法、どうすればいいのか、どのキーをたたけばいいのでしょう? すみません、本当にボケてます。  こちらからは重なっては見えないのですが、他の方にもご指摘があったので、直してみます。 できるかなあ?
Commented by miki3998 at 2008-10-30 22:31
★ 10-26  00:53 の鍵様、

   とんでもないです、気を悪くなどしておりませんので、どうぞお気づかいなく。  トラックバックは お互いにお邪魔して入れるしかないと思います。 入れたら入れるということもありますが、入れられても自分はその必要がなければ入れなくてもいいと思います。
 トラックバックを自分の宣伝に使う人もいるようですが、ごく一部の方だと思います。 普通は お仲間として同じ内容を共有する意味でトラックバックをし合うのだと思っておりました。 こちらから入れても削除は相手のブロガーしかできませんので、慎重に入れることが必要だと思っております。 内容にふさわしくないと判断された場合、相手が削除してもそれは仕方がないことですが、意味のないトラックバックはいたしませんので、これからもどうぞよろしくお願いします。
Commented by miki3998 at 2008-10-30 22:40
★ mai-obachan さん、 アルテのソフトクリームは普通サイズです。念のため。(笑)

   もちろんここのラーメンもカレーもボリューム満点、おいしいです。この日、マウイはお昼はお蕎麦、チーズケーキも食べました。 まあ、よく食べる子です。 そして私と同じ、太るタイプでしょうね、かわいそうに。(笑)

  帰る日、私は両手に荷物、肩からこの花の包みを背負って新幹線に乗りました。まるで昔の担ぎ屋のおばちゃんみたいにね。 ははは、 もらって帰る荷物は重く感じないんですよね。 やっぱりこの母にしてこの娘ありです! (笑)

  紅葉館は露天風呂がありますよね。 佳松園もいいホテルです。次回はぜひ!
Commented by miki3998 at 2008-10-30 22:46
★ nakanokeiichi さん、 お返事遅くなってすみません。

   マルバノホロシ、 たぶんこれです! ありがとうございました~。 すごいすごい、 やっぱり植物のことでわからなくなったら中野さんですね! 頼りにしてます、よろしくお願いしますね。
 ( それにしても よく探し出しました。 お忙しい中、すみませんでした。 感謝しています。)
Commented by miki3998 at 2008-10-30 22:48
★ nageire-fushe さん、  コメント、ありがとうございます。

   田舎の人ですもの、自然に取り囲まれているというか、自然しかないというか・・・笑。 母はどんなところにも、長靴を履いてドンドン入って行っちゃうんです。 蛇はきらいなのですが、娘の役に立っているということが嬉しいみたいです。 

  そろそろリースの準備です。
Commented by miki3998 at 2008-10-30 22:53
★ 10-27  23:55 の鍵さん、

   若い頃はズラ~ッとして、感謝らしい言葉も残さなかった私です。 親のありがたさがわかりませんでした。 今は電話1本でも嬉しいです。 そしてこの父も、あんな母も、当たり前のことのように 娘の家族を気にかけて生きています。 当たり前ではなかったと、今は感謝して暮らしています。 感謝しかできないけど・・・。

  マウイは我慢強い子供ですが、普段我慢をしている分、私が帰ると甘えてきます。 ときどき不憫にみえてくるのは、 あの子が自分の子供時代とダブるからでしょうかね。  キーをたたきながら、私も涙がとまらなくなるんです。 年だなあ~。
Commented by miki3998 at 2008-10-30 23:07
★ ozwattle さん、お返事遅くなってすみません。

   親子というよりも、まるで孫みたいに年が離れているのですが、私の精神年齢が幼いので、まるで姉妹みたいです。 マウイは大人に囲まれて育っている分しっかりしていますし、どっちが姉かわかりません。(笑)
 面倒くさがりで、大雑把な私には女の子は育てられません。痛感しています。(笑)
Commented by miki3998 at 2008-10-30 23:23
★ モコさん、こんばんは。

    モコさんの言葉に、私もいろいろ思い出されました。
   やはり私も父の妹である 独身で仕事をもった叔母に面倒を見てもらっていた時期がありました。 自分のためには贅沢をせずに、周りの人のために一生懸命働く人でした。 そんな叔母を尊敬できるのも、子供の頃から可愛がってもらったおかげですね。
Commented by miki3998 at 2008-10-30 23:27
★ yuricoz ゆり子ちゃん、 コメント、ありがとう。

   半年ぶりに父の背中を流しましたが、また小さくなったような気がしました。 さっき 「 さむなあ~、 かぜひいでねがぁ?」って、電話が来ました。 「 けちらねんで だんぼういれろよ~。」だって・・・。 (笑)

  画像アップした後、どこをクリックすると、写真が整列するんでしょう? メカ音痴なので さっぱりわかりません。 ゆりこちゃん、おしえて~~~。
Commented by ゆり子 at 2008-10-31 13:48 x
メールしますっ。笑
Commented by miki3998 at 2008-10-31 18:27
★ ゆりこちゃん、 
 
   届きましたっ。 笑
by miki3998 | 2008-10-26 19:05 | 家族 | Trackback | Comments(26)

風と海と丹沢が好き。山の家での毎日を綴っています。鎌倉FMのパーソナリティです。


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