2017年 04月 05日 ( 1 )

萌黄色の桜 「御衣黄」

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弾けるように春が野山を駆け巡る頃、目に焼き付いて離れない桜を思い出します。その名は「御衣黄 ギョイコウ」、萌黄色のふっくらした桜です。
この桜に出会った頃、迷っていたことがあり、生き方について定まっていないというか、ブレる自分を感じていました。そこには誰かのためにという思いが先に立ち、自分は何をしたいかが霞んでいたように思います。
御衣黄は葉と見まごうような緑色の蕾が萌黄色の花となり、咲き終わる頃に黄色く褪せて赤い筋が入ります。ピンク色の桜に比べると華やかさや艶やかさには欠けるかもしれませんが、まるで生き物が成長するかのように姿を変える花に、私は強さと柔軟さ、潔さを感じました。人々に賞賛されるピンク色の桜と相対するどこか寂しげな萌黄色の御衣黄、忘れられない桜です。


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桜に見せられる理由はなんでしょう。
染井吉野に大島桜、山桜に八重桜、枝垂れ桜、啓翁桜もポピュラーになりましたし、河津桜や玉縄桜、オカメ桜と呼ばれるものもあります。日本国内には600品種もの桜があるそうですが、これほど人々に愛される木の花はありません。満開の時期には人々が花見にでかけ、名所となれば桜の木の周りが溢れるほど…人は桜に何を感じ何を思うのでしょう。風に舞う花びらが川や池に浮かび、やがて流れて花筏となります。可憐な蕾、咲いた姿の艶やかさ、散って消える儚さ… 幾重にも楽しめる木の花です。


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拙宅からすぐの台峰の森には、山桜や大島桜の大樹がありますが、おろち桜と呼ばれる樹齢およそ100年くらいでしょうか、山桜があります。根元から何本か太い幹が分かれていて、空まで届くような豪快な枝振りはまさにヤマタノオロチ、街中の艶やかな桜とは違った趣を見せます。向かい側の山並みが薄桃色からウグイス色に変わる頃、台峰のおろち桜は、見上げる私たちのためというより、青空に向かってどうだとばかりに花を咲かせるおろち桜に、私は強さと気高さを感じます。見頃はたぶんこの週末。今年の桜は長く楽しめそうです。







by miki3998 | 2017-04-05 11:11 | | Comments(2)

風と海と丹沢が好き。山の家での毎日を綴っています。鎌倉FMのパーソナリティです。


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