カテゴリ:家族( 95 )

米寿 

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うっかり忘れるところだった。

3月6日、父は今日で88歳になった。

「誕生日、おめでとう。月曜日かえるがらね。まってでやあ。」

「ありがど、ありがど。」ありがとうを2度繰りかえす父。いつものように顔をくしゃくしゃにして泣きながら喜んでいるだろう、見えるようだ。
66歳「緑寿」、77歳「喜寿」、そして88歳「米寿」。賀寿はどれもいい響きだ。

年を重ね老いた人を敬う気持ちを大事にしたい。それは家族でなくてもだ。
次は99歳、めざせ白寿だ、父さん。



by miki3998 | 2015-03-06 21:54 | 家族 | Trackback | Comments(5)

 鎌倉散歩でみつけたもの 「三月ひなのつき」

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  日曜日、大町の古本屋『moblo』で買い求めた本。
  石井桃子著『三月ヒナの月』 挿絵はあの朝倉摂さんだ。

 主人公よし子は小学生(3年生くらいだろうか)、ひな人形を持っていない。なぜ持っていないのか、どうして買ってもらえないのか。その理由は。。。
 こだわる母親の思いと、欲しがるよし子。どちらの気持ちも痛いほどよくわかる。朝倉さんの挿絵のデパートや街並、よし子のセーターにプリーツスカート、母親のフオーバーコート。。。まるであの頃の自分と母だ。ちょっと切なくなった。手に取ってパラパラとめくっているうちにどんどん読み進み、すっかり欲しくなって、抱えていたもう一冊の植物図鑑は元の位置にもどしてしまった。よし、やっぱりこの本は手元においておこう。図鑑『日本のスミレ』は次回にしよう。
 帰りの電車の中でこんなことを考えていた。「二葉が5歳になったら読んであげよう。」 



  
by miki3998 | 2013-01-09 21:35 | 家族 | Trackback | Comments(2)

 二葉といいます。

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   この季節を選んで生まれてきた子はフワフワの女の子でした。
   母親にしがみつくようにしてスヤスヤ眠る赤子と「はじめまして。。。」
   子を見守る母親のおだやかな笑顔に「がんばったね。。。」
   そばで満足そうに頷く息子よ、「おめでとう。。。」
   12月21日、新しい家族の風景を目に焼き付けて帰りました。



 
 
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   二葉(ふたば)と言います。息子と嫁さんで考えた名前です。
   < 発芽して最初に出る葉。物事の初め。『栴檀は二葉より芳し』。。。>
   意味はいろいろですが、大事にしたかったのは、覚えやすい優しい名前ということ、とか。
   ちょっとクラシカルな響きの「ふたば」、実は私も気に入っています。
   「二葉、ふたば。。。ふーちゃん、おばあちゃんです、よろしくね。」 
   Merry X'mas! 12月25日、今日退院します。


 



   
   
   
by miki3998 | 2012-12-25 19:54 | 家族 | Trackback | Comments(11)

 母のイチジク 

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  そうか、もうイチジクの季節か。。。
  季節は暦の上だけではなく、八百屋の店先に並ぶ果物からも感じ取ることができる。
  この時期贔屓の八百屋から「イチジク入荷しました。」の連絡がはいることになっているけれど、今年は台風の影響なのか、調理用のイチジクが品薄な上に値段が高騰しているとのこと。さすがに実家の母もまとめて買うことを躊躇している中、父方のおばの庭に実ったイチジクが送られて来たとのこと。そう多い量ではないので、調理して送るからと出来上がったコンポートが荷物の中に入ってきた。いっしょにラッキョウも入っていた。どちらも私の好物であり、忙しいだろうから作ったものを送るねという母の心遣いも嬉しい。

  いつもならブランデーとザラメでこっくりと煮含めるのが母流。どちらかというとグラッセのように味も濃く実もしまった出来上がりになる。でも今年はもらったイチジクがほぼ完熟に近かったことと、料理上手なおばの作り方を真似てレモンといっしょに軽めの味に仕上げたコンポートにしたそうな。早速仕事の合間のコーヒーブレークに味見をしてみた。さらっとしたシロップは少し酸味があり、丁寧に皮をむかれたイチジクが口の中でとろけるようなふんわり柔らかい食感。これもまたいい。

  

    
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  荷物は4個口、野菜に肉、干物や油、醤油や餅米に混じって秋田のもろこしもはいっていた。
  イカはさっそくイカ飯に、鮭は一切れずつラップに包んで冷凍にした。ゴボウはささがきにして根菜類といっしょに豚汁にしようか。。。

  少しづつためておいて箱に詰めておいたのだろうなあ。野菜も丁寧に新聞紙に包んで痛まないように詰めてある。包装紙もプラスチックの容器も、後で使えると思うのだろう。今回もラッキョウとイチジクはこんな容器にはいってきた。


   
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  蓋をみて笑ってしまった。
  「 あはは、とうさんがすぎなキムチだったのっす。容器ばりいっぺたまってらったがら そいづさいれだよぉ。 におったったっか? 」
  「 いやあ、だいじょうぶだっけ。 うんめなはん、こどしのイチジクも。ラッキョウもいいあんばいだっけ。ありがどね、かあさん。」


  年のせいで物忘れも激しくなり、自信を失いがちは年寄りだ。あれほどしっかりして なんでもこなし気持ちもしっかりした母でも、父や弟からあれこれ注意されることが増えたらしく、荷物に添えられた手紙に弱音が吐かれていた。 悲観することなどない、この私でさえ ポカばかりだからと電話で励ましたけれど、ちょっとだけ寂しさがよぎった。
  「 なんだかんだいっても とうさんもマウイだぢも みんなありがでど おもってらがらっす。しんぺしねくていいんだよ、かあさん。」

  
  電話ではさらっとそう言ったけれど、「 わがってらもや。」という母の声が力なく感じて、昨夜母に長い手紙を書いた。 まだまだ大丈夫、いざとなったら いつでも飛んでいくと書き添えた。



 
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  集めてきたヘクソカズラを洗って乾かす作業も、今日のような秋晴れの元だと鼻歌まで出てくる楽しい作業だ。黄土色の実が時間とともに黄金色のビーズに変わってゆく。花の上にベールのようにかけてもいい。いや、大切にしまっておいて 11月のリース作りの素材として活かしてあげよう。
 これからの週末は素材探しの散歩が続く。 歩いて歩いて もっと奥まで歩いて。。。
 西日で背中が暖かく感じる頃合いをみて 森から帰ってくる。 
 そんな秋の夕暮れも悪くはない。




  
by miki3998 | 2011-10-16 16:42 | 家族 | Trackback | Comments(4)

 新たなスタート 『 STUDIO PLANTS 』 

  
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  息子たちの写真です。長男が5歳、次男が3歳くらいでしょうか。。。
  あれから20年、長男は25歳、次男は23歳、そして私は。。。


  おかげさまで誕生日を祝ってくれる家族がいて、老いてはいるものの実家の両親も健在です。
  ブログを続けているおかげで、昨年の今日は、一昨年の今日は。。。と、誕生日を迎えた日の思いを綴ること5回。今それを読み返しながら、息子たちの写真を眺めていました。今日はその誕生日ブログの6回目。


  この3月、「これからは私自身のために生きてゆきます」というタイトルで雑誌『ミセス4月号』に載せていただきました。以来、この半年の間に、いろいろな方と出会い、思わぬ展開から大きなお仕事をいただいたりと、仕事にプライベートにと充実した一年を過ごすことができました。ここで改めてお世話になったみなさまに心からのお礼を申し上げます。ありがとうございました。


  
  新しい一年の始まりの日、ご報告したいことがあります。  
  北鎌倉草花教室を改め、『STUDIO PLANTS』と命名することにしました。
  今後はより充実した仕事を展開しようと思っています。
  もちろん花の仕事を一番に考え、私らしい草花教室を大切にします。
  TOYODA邸でのレッスンは、私の草花の世界をより広く深く伝えてゆく新しい試みになると思っています。
  そして新たに加わる仕事はブログ『暮らしのエッセンス』で綴って来たように、「大切にしたいもの」のご紹介です。それは時に「もの」であったり、「イベント」だったり。。。植物を植えて育てるように暮らしを育てる。『STUDIO PLANTS』はそんなライフスタイルのお手伝いを仕事とします。



  楽天主義で大雑把な私を慎重な次男坊がサポートをしたり、ブレーキをかけたりしてくれます。長男は所帯を持ち、畑仕事が面白いと言いながら守るべきもののために働いています。それぞれの秋を迎えてマイペースな我が家。誕生日は新しい生き方をスタートさせるにふさわしい日だと思い、この日のために準備をしてきました。おかげさまですでに待っていただいている方もいらして、心強い応援の声も届きました。どうぞこれからの『暮らしのエッセンス』を引き続きご覧いただきますよう、よろしくお願いします。




 
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   朝、嫁さんにメールを送ったところ、
   「ありがとうございます。おかあさんモおめでとうございます。」の返事が。
   おかあさんモ。。。実は嫁さんも10月1日が誕生日。偶然ですが、なぜか嬉しい。(笑)
   長男は「誕生日おめでとう。健康第一!」と、いつもの短いメール。
   次男が仕事帰りに買って来たバースデーケーキを食べながら、いっしょに「ゴールデンスランバー」を観ています。   クライマックスのあの打ち上げ花火。。。爽快でした。

   
   生まれて来たことに感謝をする日。穏やかな一日ももうすぐ日付が変わります。
   
    
   
 

 
by miki3998 | 2011-10-01 23:49 | 家族 | Trackback | Comments(32)

  風の又三郎 

 
 
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 昨夜は海からの東風が、雨を横殴りのカーテンに変えて、まるで雪でもふっているかのようにあたり一面真っ白。窓からの景色は初秋のそれではなく、墨絵を思わせるような灰色の世界になっていた。

 裏山はどんよりと雲が垂れ込めて、竹林は大波のように揺れ、庭のオリーブの木も、反り返ったりうなだれたり。。。たわわについた実はきっと暴風雨に吹き飛ばされたか地面に叩き付けられているだろう。

 
 ふっとこんな歌を思い出した。

 「どっどどどどどーど、どどーどどー。。。
 甘い林檎も吹き飛ばせ、すっぱい林檎も吹き飛ばせ。。。」
 
                          『 風の又三郎 』

 



  9月21日は宮沢賢治の命日だ。故郷花巻では毎年この日に『賢治祭』が催される。
 たまたま次男坊が一昨日から里帰りしていて、賢治記念館や賢治村を訪れたらしい。
 「おふくろ、花巻も大雨だよ」そんなメールが届き、添付されていた写真がこれ。


 
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  宮沢賢治記念館のロビーにて。カルテットの生演奏を聴いたのだとか。賢治祭のリハーサルだろうか。。。

  


  
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 『セロ弾きのゴーシュ』のつもりかな。童話村での一枚。この後、弟の車で世界遺産の平泉へ。


  休日返上でボランティア活動に参加し、バイト先では新店舗のヘルプで池袋に通ったり。。。最近忙しかった息子。わずか3日の里帰りだけど、母の手料理を食べ、弟に車であちこち連れて行ってもらたりと、充分楽しい里帰りだったようだ。実家の両親も、先日は長男夫婦が結婚報告に、今回は次男が遊びにと、時間差で二人の孫の顔を見ることができて嬉しかっただろう。

  「Kちゃんのすぎな えびの天ぷらあげだのっす。50尾ぐれあったのに、さっぱど たべでけだったあ。まあんつ 食うなハ。いがった、よろごんでけでっす。 まってや、いまとうさんど かわるがら。」 母の声は弾んでいた。
  「父さん、ながなが いげねくて ごめんや。でも こどもだぢのほうが とうさんも うれしべ?」
  「うん、いがった。ありがど ありがど。おめも むりしねんで げんきでいろよ。」
 息子たちが私の代わりに孝行してくれたようだ。



  
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  今朝の丹沢。山肌までくっきり見える。秋空はどこまでも高く、澄んだ青色は山をも染めた。 
  台風一過のテラスに折れて飛ばされた小枝や宙を舞った笹の葉が、渦を巻いたように重なっていた。
  あのこの仕業かもしれない。
  

  



 


 
by miki3998 | 2011-09-22 23:47 | 家族 | Trackback | Comments(8)

  息子の新婚旅行   

   
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   お盆に墓参りした時、花巻に帰ろうかなあと息子(長男)が言い出しました。私もこのぶんでは夏の里帰りは出来そうもなく、父は寂しい思いをしているだろうと思っていましたから、そんな申し出が嬉しく思っていました。「無理じゃなければ新婚旅行だと思って行っておいで。」と。嫁さんも二つ返事で「行ってきます。」と承知してくれて、あとは仕事の都合次第ということでした。
  

  それが先ほど「 きてけだよ、二人で。いまついだのっす。いがったいがったあ。お嫁さんもいいひとで Dちゃんさ もったいねくれだよぉ。」と、母からの電話が。
  声が弾んでいます。そうか、今日行ったのか。。。行ってくれたんだなあと、嬉しさでいっぱいの母につられ、「よかったね、おじいちゃんも喜んだでしょ。」と、なんだかじんわりとこみ上げてきて、その後は母の話にただ頷くだけでした。電話に出た息子にも「ありがとう、行ってくれて。」のひとことだけ。電話の後ろでは嫁さんが、「これ、つまらないものですが。。。」とお土産を出している様子。まさに今着いたばかりというやりとりが聴こえてきました。よほど嬉しかったのでしょうね、母も。そしてその向こうには父の声も聴こえます。「よぐきたなあ。すわれだったか?」と新幹線の混み具合を確かめたりする父。照れてるんだろうなあ。何を話せばいいのかわからないと、きまってその日の天気の心配や新幹線の座席の話題になる父です。


  「何も特別なことはしなくていいから、母さんも無理しねんでや。若い人さ なんでもたのんでやってもらうんだよ、なは、かあさん?」
  「わがってらもや、なんにもねのっす。買い物しておげばいがったなあ、、、。」

  きっと母のことですから、ない中でもあれこれ工夫して用意するに違いありません。弟夫婦も甥っ子の結婚を喜び、父親代わりとしていろいろアドバイスをしてくれるでしょう。何よりもすっかり気弱になった父にとって、孫が結婚をして嫁さんを連れてきてくれただけで最高の喜びなのです。なぜなら父は初孫として息子が生まれた時、「Dの結婚式さでれるよに、おれはながいぎするじゃ。」と宣言していましたから、それが叶ってさぞかし嬉しいに違いありません。もちろん今度はひ孫が生まれるまで長生きして欲しいと思います。

   たとえ数日だとしても、息子は自分の故郷である花巻に嫁さんを連れて行きたかったようです。3歳で独り預けられ、父と母から無限の愛情を受けながら育った息子。鎌倉よりも花巻が自分の家のように思っているかもしれません。それほど山や川、田んぼが目の前にある田舎が好きだという息子です。式もあげず新婚旅行もまだでしたが、花巻への里帰りがその代わりとなりました。自分たちの旅行が、祖父母孝行になり、みんなに受け入れられ喜んでもらえて、きっと本人たちもほっとしているのではないでしょうか。
  
   来月は次男が帰ると言ってます。しばらくは花巻もにぎやかです。秋の花巻祭りは9月。年寄りが楽しみに待つ祭事が、多ければ多いほど淋しい思いも少なくてすむでしょう。そして私もどこか安心していられるのです。



   
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by miki3998 | 2011-08-24 20:17 | 家族 | Trackback | Comments(20)

 ビタミンカラー

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   8月16日火曜日、オフの日だというので体が油断してだろうか、大きく寝坊してしまった。
  時計を見たら10時を過ぎていて、さすがに食欲がない。冷蔵庫からプラムを出してきて、丸ごとほうばると、瑞々しい果汁が口の中いっぱいにひろがった。夏の味だ。
   実家のある花巻には、リンゴや葡萄の大きな農園が並ぶエリアがあり、ブルーベリーやラフランス、プルーンなどを育てている農家も数多くある。果物好きな父は、そんな農家と契約をしていて、それぞれ季節事に採れたての果物を、自宅と鎌倉まで届けるよう頼んであるらしい。頃合いを見計らって、食べごろの果物を直接送ってくれる仕組みだ。8月から9月にかけては、2度ほどプルーンが送られてきて、まずは写真のタイプ、形が真ん丸で、果汁多めのさっぱりとした甘さのプラム、たぶん「秋姫」という品種だと思う。9月に近くなれば、すこし細長いタイプのプルーンで、味は濃いめ、熟成された味と表現したらいいのだろうか、どちらかというと、私はそっちのほうが好きだ。(調べてみたらいろんな説があるが、生のものがプラムで乾燥したのがプルーンというのは間違いだと思う)


  箱には300グラムづつの袋に小分けになったプラムが10袋はいってくるので、届いてすぐにご近所やお世話になっているお宅に配ってまわる。定期便をよく知ったお隣は、待っていてくれるほど評判がいい。実家の母がそうするように、私もみんなと分けて食べることの『おいしさ』を味わっている。


 
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   ラジオのある月曜日は、仕事帰りに鎌倉の野菜販売所(廉売所)に立ち寄り、朝採れの新鮮野菜を買って帰るのがお決まり。 毎週末には冷蔵庫が空っぽになるので、買い物も大量になるが、農家の人が直接作物を持ち寄り販売しているこちらでは、市価よりも2〜3割安く、なによりも新鮮で美味しく、名前も知らない新しい野菜も目にすることが多い。日替わりで店の並び方も出す店主も違うので、気の合うオーナーを見つけ、親しくなるのも楽しい。ちなみに私は『内海商店』さんが気に入っている。新しい西洋野菜も育てていて、奥さんに聞けば調理法も丁寧に教えてくれる。
 トマトがおいしい店とか、カボチャの味がいい店とか。。。それぞれ得意分野があるかもしれない。それは何度か足を運び、相性の合う店を自分で見つけるしかない。それもまたこの販売所で買う醍醐味だろう。


  
  
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  買ってきた野菜たち。見ているだけでも元気をもらえそうだ。他にもシャドークィーンというジャガイモやナス、紫蘇も買った。一枚一枚きれいに束ねられたスーパーの紫蘇とは香りも食感も違う茎ごと束ねられた紫蘇は、子供の頃から口にしてきた実家の庭でとれる紫蘇の味と同じだった。母は庭から採ってきた大きめの紫蘇の葉に、短冊にきったキュウリを巻いて、塩水をはったカメに丁寧に並べ、2〜3日漬けて紫蘇巻という漬け物が得意で、夏の食卓の定番だった。それはスーパーの紫蘇では出来ない味で、何の癖もないキュウリに紫蘇の香りが移って、夏バテ気味で食欲のない朝でもご飯が進んだものだった。


 買い物かごいっぱいの採れたて野菜は、買ったその時から、料理が始まっているのかもしれない。
 素材の味を想像し、美味しさを引き出し、食べる人の笑顔を想い浮かべながら、調理が始まり愛情というスパイスをふりかけることで料理は完成する。食欲は食べた胃袋の重さだけではなく、目で感じた色彩や形からも満足感を得られるのかもしれない。だからビタミンカラーは、単に色彩的な意味ではなく、心と体に元気を与える色として表現された名前なのだと納得する。
 赤い色のオクラや紫色のインゲンもできるだけシンプルに、素材の持ち味が活かされる料理を心掛けたい。母が作った紫蘇巻のように、塩揉みだけでサラダになった紫インゲンやオリーブオイルでマリネしたグリルジャガイモだったり、蒸してよりいっそう鮮やかになったオクラだったり、ささっと手早く料理し、熱いものを熱いうちに、冷たく冷やしたものは冷たいうちにいただくのが最高のごちそうだと私は思っている。


 


 
  
   



  
by miki3998 | 2011-08-16 15:26 | 家族 | Trackback | Comments(10)

 失恋談義

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              <  買ったばかりの寝袋で雑魚寝をする息子たち。 > 


  いよいよ息子がボランティアで被災地に向かう日が近づいてきた。昨日は必要なものの買い物と最終チェック。一緒に行く友達ともう一人中学時代の友人が来て、我が家で壮行会?ということになったらしい。私が出かけている間にリビングは片付けられ、掃除機までかけてくれていた。3人ともよく働く。小学校からの友達なので、みんなお互いを知り尽くし、長所も短所も認めた上で 言いたいことを言い合う関係だ。3人それぞれ個性がはっきりしていて、話を聞いているだけでも楽しい。

  お酒は売るほどある。息子(次男)はおこちゃま系の甘いものしか飲めないが、他の二人はそうとうな酒豪。あっという間にウィスキーのボトルは空っぽ。日本酒、焼酎、カクテルの栓が開けられ、空き缶が並んでゆく。よく食べ、よく飲み、よくしゃべる。「あ、おつまみや総菜も自分たちで買っていくから、ご飯だけ炊いておいてね。。。」焼き鳥もサラダも春巻きも、みんな自分たちで用意してきた。私が作ったのは『だし』だけ。お腹がすいたら「ぶっかけ丼」で食べてもらうだけ。手のかからない客人たちだ。(笑) 


  
  話はいつしかそれぞれの近況報告から恋愛談義に。。。いや、失恋談義と言った方がいいかも。大学を卒業したばかりの青い男子が恋に悩み、後悔し、将来の自分について真剣に語り合っている。お酒が入っているとは言え、ここまで自分をさらけ出せるものかと思うほど、自分の弱さも愚かさもすべて分かってもらおうと話している。若いうちの失恋は、たとえ傷は大きくとも回復するための時間も力もたっぷりあるのだ。きっと次の恋はもっと素敵な女性に巡り会えるはず。。。大いに恋をし、いっぱい涙を流し、傷つき傷つけ合うことを何度か繰り返すのだろう。その度により深く自分を知るのかもしれない。一緒のテーブルにつき、同じものを食し、酒を酌み交わすのっていいなあ。聞き手にまわっていた私にまで意見を求めてくる何とも素直でかわいい息子たち。恋は盲目というけれど、まんざらでもないね、盲目的な愛も。
by miki3998 | 2011-07-20 14:49 | 家族 | Trackback | Comments(14)

 街の灯り

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  昨夕の黄昏時、夕日の周りをベールのような白い雲が囲む。
  早朝、あれほど凛々しかった丹沢も、夕暮れともなれば、おとなしい表情で夕日を迎える。
  

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  空と山の境目が無くなった時、街には一つ、また一つと灯りがともり始める。
  温かいと思った。キラキラして見えた。いいなあ、夕暮れ時の風景は。
  帰るところがあり、暮らしがあり、家族がいる幸せを当たり前だと思ってはいないだろうか。
  今の自分を支える誰かを忘れてはいないだろうか。

  昨日、つまらないことを呟いてしまった。
  それを見た息子が電話をよこした。
  「 おふくろ、何かあったの? なんでも相談してくれよ。」
  「 ありがと。大丈夫だよ。ごめん、ごめん。」
    
  次男もいずれ家を出てゆくだろう。それまでに凛とした人間にならなければ。。。丹沢みたいに。
 
  
  
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   今朝の空を切り取った。夏らしい紺碧の空。
   今日も一緒に早めの朝食。息子は7時からバイトだ。
   「行ってらっしゃい。」と靴ひもを結ぶ背中に声をかける。
   「行ってきます!」 振り返って元気に出てゆく息子。
   いつもの一日の始まりだ。



   
by miki3998 | 2011-07-13 17:13 | 家族 | Trackback | Comments(2)

風と海と丹沢が好き。山の家での毎日を綴っています。鎌倉FMのパーソナリティです。


by miki3998
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