カテゴリ:家族( 93 )

ミモザの頃

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一枚のチョコレート。バイト帰りの息子が「 はい、いつもありがとう。」 と言って渡してくれたものでした。まあ、まあ、今年もチョコレートだわ。そう思って夜遅くは体の毒(?)と、冷蔵庫のデザートルームの奥にしまい忘れておりました。

 夕方ちょっと疲れて、そうだ、あのチョコがある!・・・と包み紙を開こうとしたその時、愚かな母は今頃こんなものを見つけたのです。 
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 読んでいただければ分かると思いますが・・・えっ、汚くて読めない? ごもっとも! (笑)
 せめて習字ぐらい習わせておけばよかった…後悔先に立たずですね。

 うちはほとんど毎日母子家庭。主人?います。いますけれど、年に一度くらいしか帰ってきません。前にもいいましたが、事務所大好き、お勉強大好きな主人。どうもこの自然いっぱいの北鎌倉よりも、便利で豊かな都会の代々木上原大好き人間なのです。この前顔を見たのが、確定申告で帰った2月かなあ? (笑) こんな夫婦もあるのです。 

  長男はまっすぐな性格で融通が利かない、愛想がない、学問がない…のナイナイづくし。
  バカな息子ほどかわいいというまさに親バカな私をはたで見ている次男。大人です。 愚かな母と寅さんのように風来坊な兄貴を心配して、次男はこんな言葉を書いてくれたのでしょう。そんな次男が一番ストレスを抱えているのは重々承知の私。甘えています、息子に。

 今朝は8時には一人で起きてラグビーのサークルに出て行きました。手がかからないのではなく、手をかけて育てなかったので、自立心旺盛なのでしょう。どっちが親だか分かりません。

  Kちゃん、もさげねがったよ。 かあさん、いまきがついだのっす。
  うれしくて 涙っこでできたよぉ。もったいねくて たべれねぇ。 なんたら やさしべなあ。 
  きっととうさんににたんだべなあ。 
  こんたなかあさんだども よろしぐたのむなはん。 
  おめもえんりょしねんで すぎなごどみつけで がんばるんだよぉ。応援してるがらっす。

 
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  庭のミモザを届けてくれるYさん、息子が幼稚園の時からの友人で、いつも何かと気にかけてくれる、ふんわり温かいミモザのような人です。 なぜか長男はYさんちのふたりのお嬢さんの面倒をよく見る子でした。それを知っていて、いつも長男を好意的な目で見守ってくれています。子供は褒めて育てないといけませんね。
  ミモザの頃・・・いつも感謝の気持ちでいっぱいです。
   
by miki3998 | 2007-05-26 13:41 | 家族 | Trackback | Comments(78)

父帰る

 長男が久しぶりに田舎に行ってくると言って、先週から私の実家、花巻に向かいました。
 花巻はこの季節、桜や梅が一斉に咲いた後、田植えもひと段落し、緑の苗が風にサラサラ踊らされ、それはみごとな風景が辺り一面ひろがります。 実家の前の田んぼももちろんそうで、広い田んぼに緑色の線がきれいに並んで、子供のころから私はその風景を見るのが好きで、一日中二階のベランダにいても飽きませんでした。 

  その長男が父を連れて、鎌倉へ帰ってきたのです。 父は左手左足が不自由で、杖をつきながら足を引きずるようにして歩きます。 そしてその後ろから見守るように長男が付いてくるのです。81歳になる父ですから、もう鎌倉へは来れないかもしれないと、長男が誘って一緒に来たのでした。
  久しぶりにみんなで食事をしたり、家でのんびり孫たちと過ごしたり・・・これと言って特別なことはしませんでしたが、父は満足そうでした。

  今朝もリビングでお茶を飲んでいると、庭の木々の間から鳥の鳴き声がします。
 
 「ありゃ~、うぐいすだなぁ。 こんたな都会でうぐいすの声きぐどおもわねがったじゃぁ。
  しあわせだなあ~。山っこもきれいだし しずがだし こったないいどごはねんだな。
  いがった いがった。 こごさ うぢかってよぉ。 こんたないいどご ねんだじゃ。」
 と、一人うなづきながら言いました。
  確かに私たちは幸せです。 ここ北鎌倉でゆったりした時間を過ごし、家族みんな健康でいられるのですもの。 父の言う通り、その幸せをかみしめなければ、罰が当たるというものです。

  夜、夕飯を食べた後、
   「 おら、あしたかえるよ。 せわになったな。きゅにきてわるがったな。もうべっこいでけど、やっぱりあすたかえるがらよ。 きて いがった、いがったなあ。 」
 帰るよ、と言いながら少し寂しそう。
 
  手が不自由なので、昨夜は私が背中を流して、髪を洗ってあげました。 老人特有のほくろがたくさん出た背中、もう痩せて小さくなっていました。髪も薄くなり、5分もかからないうちに洗えるのです。 年取ったなあ~、そう思うと目頭が熱くなりました。

   「 もさげねなあ~、おめにせなが洗ってもらえるなんてなあ。 いっつも マウイにせわしてもらうのさ。 マウイはいいこだよ。 ちいせどぎの おめそっくりだ。 ありがど、ありがど。」
  父は声が震えていました。
   「なんにもえんりょするごどねんだよ、父さん。いだいくれいでやあ。」  
  
   自分の娘なのに、遠慮がちに話す父。 私の作った料理を食べながら、まだ息子たちが小さかった時に言っていた「 おいち、おいちね。ね、Kちゃん。」と、いまだに赤ちゃん言葉で言ってしまう父。 息子たちが横で微笑んでいました。


  今日のお昼、東京駅まで送っていきました。 新幹線のベルが鳴るまでは、にこにこ笑顔で手を振ります。でもドアが閉まって車両が動き出すと、とたんに顔をくしゃくしゃにして泣き出す父。子供みたいな父です。 そうゆう私も・・・。 笑

  結局二泊だけの北鎌倉。父は田んぼが緑色に染まる花巻に帰ってゆきました。
  新花巻の駅には息子である私の弟が迎えに出ています。 安心です。
  
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  明日は母の日、 実家の母へのプレゼントに添えて、この本を贈りました。
   『 いつもふたりで   ばーさんがじーさんにつくる食卓 』
   

  
 
by miki3998 | 2007-05-12 23:06 | 家族 | Trackback | Comments(106)

誕生祝いは 阪神戦?

 今夜のブログは長くなりますよ~、 路地裏散歩続編の予定でしたが、ちょっと変更です。よろしければお付き合いください。 本邦初公開、長男が出てきます。 笑

 明日5月3日は二男の19歳の誕生日、でも諸事情により今日そのお祝いをすることに。 それぞれ出先から午後4時に集合するということで、待ち合わせ場所はこちら。
  
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 子供たちがまだ幼かったころ、よく来たデパートです。定時になると中から人形が出てきて、「It's a small world 」 の音楽が流れて、それに合わせて身振り手振りで子供は踊っていましたっけ。
  
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  そうそう、こんな感じ。 3歳の長男と1歳の次男。この二人のようにいつも一緒にじゃれ合うようにして遊んだものでした。 あの頃が一番よかったなあ~、なんて懐かしく思い出して、なんだかジ~ンときました。胸にこみ上げるものがあって、目頭が熱くなるのは年のせいでしょうか・・? 息子たちにこのことを言ったら笑われました。 おばはんは涙もろいなあ~。

  息子たちはそれぞれ21歳と19歳になるのですが、実は今日、長男が私と二男のために野球のチケットを取ってくれたのです。弟への誕生日プレゼントであり、私への一足早い母の日プレゼント。 そんな心遣いができるようになったんだ…と、またまた目頭が・・・親バカです! 笑

  試合は阪神対横浜、試合開始を前に回転寿司で腹ごしらえ。ガッツリ食べて、いざ鎌倉へ!
  いや、鎌倉から来たんだから  そう、いざスタジアムへ!

  
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    応援団です。俄然阪神が勝ってます。試合より、応援する人を見るのが楽しみかも?笑
 
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    先発 下柳選手。 二ヤケてます。 大丈夫かいな?

  
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 もちろん座席は阪神側内野席、長男は小学生の時から阪神帽をかぶって通学するほどの大ファンで、今日もユニフォームとメガフォン持参で、テンションはバリバリに上がってます。
 先発は下柳対三浦、開幕投手同士の対決。これはもしかしてJFKを見られるかも知れません。 やったね!期待してまっせ!

   
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  必死に応援する息子たち。 あ、次男はそれほど野球が好きなわけではないのですが、回転寿司に釣られてくっついてきました。 でも応援するうちに、けっこう声を張り上げてすっかりはまっている…兄弟っていいなあ~。 またまた親バカ。 笑

 
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  途中、こんなお姉さんたちの踊りも。 ベイスターズのマスコットガール達です。顔?見えないです、たぶん可愛い!?
  でも試合はちょっと雲行きが悪くなってきました。
  頑張れ、がんばれ、剛! これ下柳のことです。 ちなみにうちの旦那さまも剛。 笑
 
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 相手ピッチャーの三浦、いいピッチングで9回まで無失点に抑えられます。 う~ん、このままだと完封かも・・・。
 でも阪神も粘って、9回表、2死満塁! いけ~、狩野。ここで満塁ホームランだぞ~。
 
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  もう居ても立ってもいられない、おもわず前のフェンス近くまで行って応援する長男。 
  隣の小学生と精神年齢は一緒です。 「 誰のファンなの?」 「金本!」 なんて会話が聞こえます。 
  結局4対0で阪神の負け。 喉が枯れるほど応援しましたが、いかんせん、打てない!今岡、だらしないなあ。矢野、なにやってんねん。 あちこちから聞こえてくるボヤキ。 でも楽しかった~。なにせ息子二人と一緒に出かけるなんて本当に久しぶりでしたから。 母親としては十分満足の一日でした。 どんど晴れ!
  

 さて、明日は仕事。次男もバイト。 そして長男は…? またまたスタジアムですって。 爆笑 



  
  
by miki3998 | 2007-05-03 00:37 | 家族 | Trackback | Comments(43)

かあさん、もうすぐ母の日だなはん。

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  母です。一昨年、銀座の伊東屋の上の喫茶店でパチリ・・・。私も母も手紙を書くのが大好きなので、便せんや封筒を買った帰りに写したものです。 携帯で撮った写真、このサイズだからいいのです。おおきいとボロが見えますから。 笑

  母は月に何度か送ってくる宅配の荷物に、必ず近況報告や私たちの健康を案じる手紙を入れてきます。ときには姪っ子が描いた絵なども同封して、花巻のみんなも元気だから心配しないで…みたいな文章です。さすがに手紙では標準語です! 笑

  本が好きな人で、子供のころ私たち子どもの本と一緒に、月に一度書店から直接届けてもらっては、家事の合間に本を読んでいる人でした。今もそうです。 自分が読んで面白い本を荷物の中に紛れ込ませる人です。最近では柳澤桂子さんの『生きて死ぬ知恵』を送ってきました。現代詩訳の般若心経本です。 
  テレビを見ていてもそうです。「 いまなにみでらの? NHKつけでみで~、ターシャさんがででるがらっす。 きれいだなはん、おらもあんたなくらし してみでもんだぁ 」って感じで、一人興奮して話す母が受話器の向こうにいます。 

  そこにいてくれるだけでいい人、それが母であり父なのだと思います。幸い両親ともに健康で、毎日元気にしてくれていますし、いまだに私たち子どものほうが心配をかけているくらいです。

  日曜日の夕方、ふとつけたテレビで、あのきんさんぎんさんが映っていました。長生きの秘訣はあれこれ思い悩まないこと、毎朝目覚めてご飯を食べて、人と会って話し夕げになったらご飯を食べて寝る…これができたらしあわせだとも。 うちの父も同じようなことを言ってます、くよくよするなと。そして母も毎朝目覚めておひさまを仰ぎ、生きていることに感謝すると言っています。もう物欲もなく、誰かのために役に立てるような毎日であればそれで満足なのだそうです。手紙ではいつも私が困っていないか、体は大丈夫か、ちゃんと食べているか…(大丈夫です!)と、毎回同じようなことを書いてきます。心配性の母です。 

  もう4月も終わりの週、連休を前にして自分たちの予定ばかり気になっていました。5月は母の日が来ますね。その日だけが大切ではないのですが、何か思いを形にして送ってやろうかと思っています。 おりしもあの4月のリースを気に入ってくださった方がおられますので、その方の分も母の日を思ってお作りしようかと・・・。
  連休は母の日のリース作りになりそうです。

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by miki3998 | 2007-04-23 14:03 | 家族 | Trackback | Comments(105)

 入学式 

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  4月3日は朝からしとしと春の雨…「春雨じゃ、濡れてまいろう・・」てなわけにはいかないので、傘を持って九段下までまいりましたよ。この日は息子の大学の入学式、満開の桜も冬に戻ったようなお天気にさぞやびっくりしたことでしょう。 誰?雨女は・・・笑。
 
  玉ねぎのような武道館はロッドスチュワートのコンサート以来だったように記憶しています。こんなに狭かったかしら?この写真は式が始まる10分前ですが、まだまだ外には入れない父兄と学生がいます。そして式が始まると、その人たちは立ち見(?)状態、気の負毒に2時間近く立ちっぱなしでした。

 
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  入学式のはじめは紫綬褒章もうけている浅見真州氏の能の舞です。この方も卒業生。舞は『 羽衣 』でした。シテである天人が浅見氏です。ワキである漁師が宝生欣哉氏。雨の中の入学式、これを鑑賞できただけでも来たかいがあったわあ~、とはお隣のママのお話。笑
 この能の舞はあの羽衣伝説からきたもので、のどかで清澄な趣がこの季節にぴったり、晴れの門出を祝うにふさわしい盛り上がりでした。

 
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  式は総長式辞に始まり、来賓祝辞がだらだらと続くかと思いきや、皆様お名前だけのご紹介と会釈だけに終わり(ホッ)、貴重なお話をしてくださったのが写真の女性でした。
  この女性は国連難民高等弁務官事務所で仕事をする卒業生です。まだ年齢26歳、金子真衣さん。現在法務官補佐としてバリバリ仕事をこなすキャリアウーマンとして、大学で学ぶことの意義や目的をもって日々を過ごすことなど、新入生にとって興味深いお話をしてくださいました。 いまやこんなたくましい女性が社会の第一線で活躍し、国際舞台で生き生きと仕事をされている時代なのだと改めて実感しました。

  我が息子もこの中のどこかに座っています。先日大学までの定期券代を調べたらしく、4年間で120万円もかかるのだとか・・・。「 俺、バイトするね。」と翌日面接を受けに行き合格。大船のユニクロで働き始めました。 アルバイトは社会に出る前の一つのステップとして、決してマイナスではないと思います。人と触れ合うことで、また違った自分を発見できるでしょう。それで勉学に差し支えるのは本末転倒ですが、彼なりに金銭感覚を身に着け、人の下で働くことの大変さ、会社の仕組みなども学べるかもしれません。何よりも、自分の小遣いくらいは自分で・・・というのは家計の足しになり、本当に助かります。 汗

 もはや親離れをし何事も自分で決め始めている息子。これから始まる4年間はそこに新しい可能性を見つける4年間であってほしいと願うばかりです。
by miki3998 | 2007-04-06 09:21 | 家族 | Trackback | Comments(48)

旅立ちの日

  3月3日 息子は高校の卒業式を迎えました。 息子の通う付属校のその日は、一部と二部に分かれていて、一部のそれは各クラスのパフォーマンスや有志によるバンド演奏など、生徒達の自主的な企画発表の時間です。卒業証書授与式はその後の二部に行なわれるのです。
  息子たちはいつの間に練習したのか、メンバーの中の一人が作詞作曲したバラードをその一部のトップバッターとして登場し、堂々と歌いあげました。壇上にギターを持って現れると「 Kちゃん! 頑張れ~」と言う掛け声をもらい、照れながら丁寧に歌い始めました。息子の違った一面を見たような気がして、ラグビーや勉強だけでなく、たくさんの友達に囲まれて、充実した高校生活を送っていたこと、何よりも尊い時間を持つことが出来たのだということを改めて知りました。ひとまわりり大きくなってこの日を迎えた子供達が眩しい姿に見えたのは、きっと私だけではなかったことでしょう。

  3月4日 午後2時頃、携帯が鳴って、そこに弟の名前を見たとき、ピンと来ました。 ああ、逝ってしまったのだなあと。

  皆様からたくさんの励ましやお優しいお言葉をいただき、本当にありがとうございました。
  私が実家にもどりますと、白内障でもう目は見えないのですが、声のするほうへ頭を向けようとするエルがおりました。口の中に出来た癌のため、食事はもとより水も飲めない状態で、もう体は元気な頃の半分以下、抱き上げると手のひらに背骨があたり、あまりの軽さに言葉を失うほどでした。一時は意識も混濁し、手足も動かずグッタリしたエルでしたが、点滴や造血剤など、いつもお世話になっている獣医さんの処置で、私達家族が声をかけると体を動かそうとするまでに回復したかに見えました。私は卒業式の準備があり、鎌倉に戻りましたが、最後に見たエルの小さくなったその姿が目に焼きついて、もう時間の問題なのだと覚悟を決めておりました。弟の話では、今朝出勤するときに、小さくク~ンと鳴いて頭を上げようとしていたと言うのです。最後の挨拶だったのでしょうか・・・。

  「 おめもかえってきてけだし おれだじもさいごまでいっしょだったし エルはいがったんだぁ   もはこごまでがんばったんだがらよぉ。 じゅうぶんだったぁ。 しかだねどおもうしかねぇ。
   ありがど、ありがど。」

 そう言って、父は鎌倉に帰る私を見送ってくれました。そしてその3日後、エルは自宅で静かに逝ってしまいました。

  新しい朝を迎える次男、希望を胸に4月からは大学生活が待っています。
  仕事に悩み家族のもとに帰ってくる長男。彼は弱音を吐けずに明るく振舞います。
  亡くなった家族の悲しみと、今傍にいる家族の思いを受けとめて、静かに見守るしかない母親、力不足の何もできない愚かな母親です。

  でもそれぞれの元に必ず新しい朝はやってくるのです。土砂降りの雨も、きっとあがる日は来ます。エルの死は、命あるものの宿命で、必ずやってくるその日を迎えただけ。だからこそ、生きているものはその命の重さを改めて自覚し、精一杯生きることを学ぶのだと思います。
 
 偶然ですが、今日ふとつけたテレビで「 私の『 千の風になって』 」という番組を見ました。
 息子を失った父親、夫を亡くした妻、それぞれの人たちの胸に染み入る歌としての『千の風になって』が紹介された番組でした。 その歌の2番の詩が気になりました。

  『朝は鳥になってあなたを目覚めさせ、夜は星になってあなたを見守る・・・』そんな詩だったと思います。
  失った命は蘇らずとも、その魂は時に鳥になり、星となってそばにいる。春の日差しと暖かい春風は、それぞれの人の大切な命が形を変えて、いつも傍で舞う風となって見守っていてくれるのかもしれません。もちろん私達のエルも。今夜は父や母の枕元で、そっといっしょに眠ってくれていると信じましょう。  
 
 いつも拙い私のブログに、心温まるコメントを下さる皆様、本当にありがとうございます。ここに心からの感謝とともに、お礼の言葉とさせていただきます。そしてあらためてこれからも宜しくお願いいたします。

  私ですか? もちろん元気です!

  

 
by miki3998 | 2007-03-04 19:05 | 家族 | Trackback | Comments(79)

 おらぁ しあわせだったぁ

 父から電話が入った。
 
  「 もう今夜はうちさつれでくるごどにしたがら、 もさげねがったなぁ、おめさもすんぺかげで。」

 昨夜電話をしてきた弟は、父や母に内緒でかけてきたらしい。心配かけまいとする父と母だが弟は何かあると必ず電話をよこす。エルは私達鎌倉の家族にも世話になったからという弟の気配りも嬉しかった。状況はだいたいは理解していたつもりだった。

 電話は母に代わった。

  「 今朝病院さ行って、エルって声かげだっけ、あだまっこあげで こっちみるのっす。点滴うげでだのに、がんばれぇって言う声にちゃんとかえしてくっれでっす。足ばピクピクって うごがしたっけぇ。 わがるんだなはぁ、 かわいそだった。 もはつれでくるがらねぇ。 すんぺしねでやぁ。」

 ベッドの上でつながれながら点滴を受けるエルを思い浮かべた。口の中にできた癌のために食べ物が喉を通らない状態が続き、意識も混濁しているらしい。もはや命の炎は消えかけているのだ。そんな老犬が、飼い主の家族の声に反応をする。最後の力を振り絞るエルの姿が痛々しくおもわれ、それまで淡々と聞いているつもりだった私も、急に熱いものがこみ上げてきた。

  「 おらはしあわせだったぁ。 エルのおがげで おらはほんとにしあわせだったなぁ。だがら、こんやはつれできて いっしょにうぢでみでけるのさぁ。 そうする、うん、そうするがらよ。」

 父は自分に言い聞かせるようにこう言って電話を切った。

 ペットばやりの昨今、いろいろな飼い方があり、その家族の形もそれぞれだと思う。でもこの老犬があしかけ16年もの間、家族の成長とともに、喜びのときも悲しみの時も傍にいてくれたことは確かであり、あの疑うことのない澄んだ瞳で、落ち込んだ飼い主の顔を覗き込み、いつも後ろからついてきてくれたことは紛れもない事実なのだ。 動物は言葉を話せないし、時に甘えたり、いたずらをしたりする。でもそこには人間の不可解な行動とは違って、ちゃんと理由があり、言葉以上の信号を送っているのだ。 ちょっと席を立つしぐさをしただけで、エルは父が外出する事を察したものだった。

 「 エルもいぐの? わがったがらぁ、つれでぐがらっすぅ。」

父がそう言うと、エルは尻尾を振って元気に堪えた。帽子をかぶって出かける父を、嬉しそうに見上げてついてゆくのだ。

風邪で寝ている私のそばで、ク~ンと鳴いて布団にささってくるのもエルだった。

 かけがえのない家族の死は、こんなふうにしてやってくるのだろうか。そしてその後ぽっかり空いた心のすきまをどうやって埋めるのだろう。それぞれの心の中で、ゆっくり目をとじるエルの姿を想像しなければならないのが辛い。
by miki3998 | 2007-02-26 20:24 | 家族 | Trackback | Comments(62)

里帰り 冬休み編 その2  おばあちゃんとマウイ  

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  雪が降って、ひとしきり外で遊んだあとは、帽子も手袋もびしょびしょに濡れます。ストーブで乾かしながら、ちょっと一休み。そこでマウイはいつもの遊び道具を出して来ました。

 「 おばあちゃん おはじきしよう?  ね、 ダイちゃんママも一緒にやろう? 」

 ということで、おばあちゃん、私、マウイの3人でおはじき大会(何でも大会になってしまいます)
  おはじきをぶつけ、その間をまたおはじきが通るかどうかを競います。負けず嫌いのマウイ、必死です!

 
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 さて、今度はおばあちゃんの番です。上手い上手い、どんどんしとめていきます。マウイの目は真剣です。おばあちゃんは手加減しませんから、あっという間におはじきは半分になりました。私は当てるのですが、その間から通す時にカチッ、あ~あ、ヘタクソ!いつも遊んでいる二人にはかないません。

 結局勝敗は一位、おばあちゃん、二位 マウイ 、私、ビリッケツ。ヘタクソとか、ビリッケツとか、すみません、表現に品性がございませんわね、オホホ。 マウイにも叱られました。

  「 ダイちゃんママ、 クソって言っちゃダメなんだよ。ヘタクソもダメ、わかりましたか? 」
  
  「 ハイ、すいません。以後気をつけます。 」

 うちの母のことですから、日頃から厳しく育てているのでしょう。私がマウイに叱られてしまいました。笑
 
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  夕飯が終わり後片付けはマウイのお仕事です。洗ったお茶碗を布巾で拭いて片付けます。冬休みに限らず、いつもこんな感じで年寄り二人と孫一人でひっそりと過ごしているのでしょう。マウイの両親は帰りが10時くらいになりますから、その前にもう眠ってしまいます。毎日がこんな風にして過ぎてゆくのです。
 
  田舎の台所って感じでしょ。いろんな小道具や食材がいっぱいです。この台所から美味しいお漬物や、おせちが出来るのです。多少乱雑に見えますが、年老いたベテラン主婦の母にはどこに何が置いてあって、段取り易いような収納のシステムになっています。それにレンジもシンクもピカピカ。手入れはきちんとしてあります。見た目・・・?気にしません。笑  段取りよく食材が並べてあって、一度に3品のお料理を同時進行で作る人です。 料理の腕前? かないっこありません。だから、いいのいいの台所が隣の晩御飯風でも。 モデルハウスのキッチンじゃないんだから、だって。

 それにしても、この後姿・・・40年以上前の母と私のようです。
by miki3998 | 2007-01-13 00:14 | 家族 | Trackback | Comments(66)

「 聖夜に思う 」  離れていても、心はいつも・・・

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  バプテスマを受けてから何回目のイブを迎えたでしょう。12月24日、この日静かに聖書を開くのは家族の中で私一人です。30年前の今日、私は讃美歌とともにキャンドルを片手に持って、仲間達と一緒に信者さんのお宅を一軒一軒回って歩いたものでした。純粋に一つのことを信じて、夜更けまでひたすら歌い、話し、それは楽しいイブでした。

  今振り返ると、あの頃と形は違っても、やはり私はひとつのことを信じて生きています。家族の一人一人が健康で、日々感謝の気持ちを忘れずにいられるのも、きっと私自身が生かされていると感じているからです。遠く高く、真っ暗な夜空に煌いている星達を見ていると、いつもそう感じます。生かされているのだと。

  写真はドイツから私のブログを見てくださっているある方からいただいたものです。私は二人の息子の母ですが、その方が私の話をお聞きになって、このお皿を見つけたときに、私のためにある絵柄とお思いになって届けてくださいました。母と娘の向き合う絵柄のこのお皿、皆様はどんなストーリーを思い描きますか?

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  皆様、いつも私の拙いブログにいらしてくださいまして、本当にありがとうございます。
  感謝の気持ちを込めて、すべての方の下へ、素敵な聖夜が訪れますように心からお祈り申し上げます。

    メリークリスマス&ハッピーホリデイ!

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by miki3998 | 2006-12-24 22:41 | 家族 | Trackback | Comments(18)

 それぞれの師走

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  今朝の観音様です。ベランダの前のお隣の大きな木から、枯葉がすっかり落ちてしまって、今まで見えなかった大船の観音様が見えるようになりました。北西の方向にあるのですが、東からの朝陽に照らされて、周りの家々までもが紅葉しているかのように見えます。丹沢連峰もこんな感じです。

 
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  12月も20日を過ぎると、どこへ行っても人で溢れかえっていて、郵便局も銀行も、スーパーまでもが気ぜわしく感じます。そんなときですからもう腹をくくって(、いえ開き直ってかな・・・?笑) 買い物は北鎌倉で、振込みは夜でもコンビニから、なるべく地元を利用して遠方への外出は出来るだけ避けます。もちろん車もご法度。わざわざ混む中に出て行ってストレスをためることはないのですから。

  家の中にいると耳に入るのは鳥の声だけ、車も人も滅多に行きかわないような山の上の家ですから、本当に静かな師走です。次男はおかげさまで内部進学が決定しました。今夜は友人宅でお祝いのようで外泊です。幸せな次男です。b0083902_23314785.jpg
   ( コーヒーの友、この箱もリボンも全部チョコレート、中にもトリフが入っています。濃い目に入れたへーゼルナッツフレーバーのコーヒーに合います、美味しい!)
  



 

  冬の日の午後って短いですね。ぼやぼやしていると暗くなります。働く長男はもう3週間休みなしに働いています。年末なので仕事が圧していて、日曜日も出勤。今朝出て行くとき、風邪気味といって背中を丸くして出て行きました。北風が肌に冷たい、朝の6時です。自分で選んだ仕事ですから愚痴も言わずに起きてゆきますが、後姿が時々小さく見えるのは気のせいでしょうか・・。
  さて、そろそろ帰ってきます。今夜は長男が大好きなチンジャオロースーと春巻き、味噌汁代わりにニラのいっぱい入った塩ラーメンです。力仕事をする息子、痩せて長身ですが大食いです!部屋を温かくして、お風呂も沸かして・・・・。
  それぞれの師走が過ぎてゆきます。

 「 ただいま~、う~、寒~う。 」
 「お帰り! お風呂沸いてるわよ~。」
 
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by miki3998 | 2006-12-20 23:58 | 家族 | Trackback | Comments(66)

風と海と丹沢が好き。山の家での毎日を綴っています。鎌倉FMのパーソナリティです。


by miki3998
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