カテゴリ:花( 158 )

萌黄色の桜 「御衣黄」

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弾けるように春が野山を駆け巡る頃、目に焼き付いて離れない桜を思い出します。その名は「御衣黄 ギョイコウ」、萌黄色のふっくらした桜です。
この桜に出会った頃、迷っていたことがあり、生き方について定まっていないというか、ブレる自分を感じていました。そこには誰かのためにという思いが先に立ち、自分は何をしたいかが霞んでいたように思います。
御衣黄は葉と見まごうような緑色の蕾が萌黄色の花となり、咲き終わる頃に黄色く褪せて赤い筋が入ります。ピンク色の桜に比べると華やかさや艶やかさには欠けるかもしれませんが、まるで生き物が成長するかのように姿を変える花に、私は強さと柔軟さ、潔さを感じました。人々に賞賛されるピンク色の桜と相対するどこか寂しげな萌黄色の御衣黄、忘れられない桜です。


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桜に見せられる理由はなんでしょう。
染井吉野に大島桜、山桜に八重桜、枝垂れ桜、啓翁桜もポピュラーになりましたし、河津桜や玉縄桜、オカメ桜と呼ばれるものもあります。日本国内には600品種もの桜があるそうですが、これほど人々に愛される木の花はありません。満開の時期には人々が花見にでかけ、名所となれば桜の木の周りが溢れるほど…人は桜に何を感じ何を思うのでしょう。風に舞う花びらが川や池に浮かび、やがて流れて花筏となります。可憐な蕾、咲いた姿の艶やかさ、散って消える儚さ… 幾重にも楽しめる木の花です。


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拙宅からすぐの台峰の森には、山桜や大島桜の大樹がありますが、おろち桜と呼ばれる樹齢およそ100年くらいでしょうか、山桜があります。根元から何本か太い幹が分かれていて、空まで届くような豪快な枝振りはまさにヤマタノオロチ、街中の艶やかな桜とは違った趣を見せます。向かい側の山並みが薄桃色からウグイス色に変わる頃、台峰のおろち桜は、見上げる私たちのためというより、青空に向かってどうだとばかりに花を咲かせるおろち桜に、私は強さと気高さを感じます。見頃はたぶんこの週末。今年の桜は長く楽しめそうです。







by miki3998 | 2017-04-05 11:11 | | Comments(2)

梅一輪 一輪ほどの暖かさ

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お隣のおばさまに、実家から届いた干し柿と漬け物をお持ちして、そのまま裏の畑を見に行きました。畑と言っても持ち主のお爺さんがお亡くなりになってからは、誰も近づかないものですから荒れに荒れて足の踏み場もありません。春先にはセリやノビルを採りに入るのですが、いまや笹竹が覆い、小道がどこだったかも分からなくなりました。木瓜の低木もあったはずなのですが…それももう伐採されたようです。

その畑から見下ろしたところに、梅の木だけ3本植えられた原っぱがあります。まだ蕾は硬いのですが、近くに寄ってみましたら幾つか花を咲かせておりました。

梅一輪 一輪ほどの暖かさ 服部嵐雪


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その古木の太い幹には灰緑色のウメノキゴケがびっしりと… おばさまがおっしゃるには50年前に越してきた頃から立派な梅の木だったとのこと。いまや太い枝や幹は何重にも絡まり、天に向かって伸びるもの、地を這うように枝を垂らすものと、まるでその存在を誇示するかのように太く大きくなって、高さ3メートル、幅は7メートルくらいまでに成長しています。花後は実をたくさんつけて、わたくしたちにまでそのお福分けをいただけるという、とてもありがたい梅の古木です。


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さて拙宅はというと、年末に植徳さんのお世話になり、サンゴジュやオオデマリ、ハナミズキの剪定をしていただきました。伸び放題の下草も抜いてくださったので、いまはこのオキザリスだけが青々とした葉を伸ばしております。花もなく殺風景な冬の庭ですが、硬くて冷たい地面に少しでも緑があると、そこに暖かいものが流れているようで、なんだかホッといたします。


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朝の散歩は、女学校を抜けて買い物がてら北鎌倉の駅までのんびり歩きます。校内には何種類かの椿が咲いていますが、校門近くのヤブツバキの生垣は、満開になると赤い壁のようになり、青空とのコントラストが見事です。
こちらは八重の白椿、花弁が透け始めています。いつ落ちてもおかしくない状態ですが、冬空の下、寒風に向かって咲く姿には、白い花の清々しさや優雅さより、凛とした強さを感じます。
明日は日曜、仕事もお休みです。足元からシンシンと冷え込んできましたが、晴れたらまた朝の散歩に少し遠くまで足を伸ばしてみようと思います。




by miki3998 | 2017-01-14 21:34 | | Comments(0)

自然の造形美 「クマガイソウ」

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青森の友人から庭に咲く草花が送られてきました。丹精込めて育てた草花は、丁寧に包まれ箱の中で仮眠状態。水切りをして器に放つと、たちまち目を覚まして元気な姿を見せてくれました。

なかでもこのクマガイソウは、昨年実家で見た時は花が終わっており、葉だけの状態でしたが、その繊細な姿はプリーツプリーズのドレスのよう…折り目の美しさ、ライム色の透明感にすっかり魅了されたのでした。


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錫製のシンプルな器に送られてきた中の一輪をさして飾りました。
北向きの窓から午後の日差しが入り、まるでスポットライトを当てたかのように見えます。

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勝間田千恵子さんの海を想像させる陶器にも生けました。神秘的な色合いの器ですが、力強さも感じます。クマガイソウは葉も花も独特ですから、どんな器がいいか、どこに置くか、あれこれ思い巡らせるのも楽しいものです。藤色の麻のざっくりした布を敷いて…。


和子さん、本当にありがとうございました。草花好きのお隣のおばさまや、届いた時にレッスンを受けていた生徒さんたちにお福分けさせていただきました。みなさん、大変喜ばれておりましたよ。花好きのお仲間とは、育てた草花を差し上げたり頂いたりの繋がりがあります。これで和子さんとも繋がりましたね。わたくしからも何か珍しいもの、北鎌倉でも青森でも育ちそうなものをお探ししてお送りしようと思っています。もうしばらくお待ちください。


植物は時に生き物としての生々しさを感じることがあります。特に終わりを迎えた花は、艶やかさと生々しさを併せ持っているように思います。自然の造形美は、新しく生まれたものだけではなく、生き切って終わる姿にも感じるのです。
花はいつか枯れますが、枯れない花を飾ろうとは思いません。初めの花から終わりの花まで見届ける楽しみの方がわたくしは好きですから。


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by miki3998 | 2016-05-24 12:21 | | Comments(0)

群れをなす蝶のように

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空に向かって咲く山法師
まるで群れをなして飛ぶ蝶のようです。
幻想的にも見えるその様は、新緑の庭から深緑の森へと続きます。


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花も優雅ですが、葉の表情も絵に描いたよう。自然の造形の美しさを感じます。



月曜の朝、そろそろスタジオへ。
今日はゲストをお迎えしています。
5月28日土曜日開催の「鎌倉ブックカーニバル」の実行委員であるbooks mobloの荘田賢介さんです。由比ヶ浜通りを中心に古本市や本談会など、本と街を繋ぐイベントとしてすっかり定着しています。今日はその話題を特集します。お楽しみに!




by miki3998 | 2016-05-16 04:45 | | Comments(0)

夏を告げる花たち

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 北鎌倉は今、山法師の花が見ごろを迎えています。
拙宅はハナミズキをシンボルツリーに選んだのですが、すでに花は散り、オオデマリもすっかり終わってしまい、あとはバラの咲くのを今か今かと待ちわびているところです。お勝手口の野バラはすでに咲き始め、隣のトケイソウが蕾をたくさんつけているのも嬉しいところ。忙しくて手をかけてやらなくとも、毎年面白いほど花を咲かせてくれます。


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 友人宅の庭にはエゴノキとコデマリ、ヤマボウシと白い木の花が満開。仕事帰りに立ち寄ってお茶を飲みながら縁側に座って眺めるのが楽しみとなっています。きっと今頃は東慶寺さんの松ヶ岡文庫裏のヤマボウシも雪が積もったように満開になっていることでしょう。そうそう、東慶寺さんと言えば、ハクウンボクも有名で、エゴノキを大きくしたような白い花が鈴なりに咲くはず。夏を告げる白い花は緑に映えて清々しさを感じさせてくれます。今日は朝から風が強いので、木の花が散ってしまわなければいいのですが。。。


 
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       ( 佗助に飾ったハクウンボクとカラー ) 








 
by miki3998 | 2016-05-11 06:18 | | Comments(0)

 花桃と桜 

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弥生三月春うらら
歌の文句のようですが、語呂も良く、この時期になるとつい口からこぼれるように出てきます。
逃げる2月を追うように3月になり、出会いも別れも待っているのがこれからの季節です。

怪我の具合は思ったより長引いて、じっと我慢の毎日でしたが、暖かくなるにつれ、なんとか元のように動けるようになりました。前々から予定されたレッスンや出張教室も春の到来と共に再開しますので、どうぞ宜しくお願いします。 



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3月11日、12日の両日午後1時からは花巻B&Bレストランの無ら里さんのサンルームでランチをいただきながらのゆったりサロン。
山口のギャラリー円座さんでは、15日、16日の午後2時から、季節のスイーツをご用意していただいて、3回目。改めまして一年を季節ごとに区切っての暮らしのエッセンスサロンが始まります。
いずれも『春の贈り花』と題して、芽吹きの草花と器の関係などをご紹介します。どうぞお楽しみにお待ちください。 



あ、その前に3月3日、桃の節句のレザンジュサロンもございます。
スケジュール満載の3月、ただ単に去る月3月にならぬよう、じっくり準備中。
スタッフ一同、皆様のご予約、心からお待ちしております。



 
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by miki3998 | 2016-03-01 23:20 | | Trackback | Comments(0)

ハゼノキ




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スタジオに向かう道に蔦の絡まる御宅があって、シンボルツリーにハゼノキを植えてらっしゃるのです。駐車場の前から歩道にせり出すように大きくなったハゼノキは、実が葡萄の房のようにたわわで枝が重く垂れ、手を伸ばせば届きそうです。ハゼノキの木蝋は和蝋燭の原料でもあり、秋には見事な紅葉も楽しめます。鳥が運んできたのか、我が家の裏庭にも根付いたことがありますが、大きくなると厄介だからと庭師のお爺さんが早めに切ってしまいました。惜しいことをしたなあと、ちょっぴり後悔しています。
by miki3998 | 2015-06-17 13:43 | | Comments(2)

 椿からはじめましょうか。。。

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   草花教室を知っていただくために、すこしお話しさせていただきます。
 この5月で10年目に入るブログですが、きっかけはレッスンを欠席した生徒が、その雰囲気だけでも知りたいので写真を載せては、ということでした。軽い気持ちでそれもいいかなあと、ブログの仕組みや意味も知らずに始めました。そのうち遠くからいらっしゃる方のために、レッスンが終わったあと、軽い食事をしながら草花の話や見たもの行った場所などの話題をご紹介するようになりました。
 教室は自由花と名付け、家の周りや庭の草花、木の花、野菜の花など、今そこにあるものをよく見て、花に聞きながら生き生きと生けるを心にとめたあしらい方を伝える教室になりました。路傍の野草にも目が留るような気持ちでこの坂道を上って来て欲しいとの願いもありました。美しい暮らしとは、そんなささやかな気付きが積み重なっていくものではないかと思うのです。 


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 2年前のお正月過ぎに訪れた根津美術館の「百椿図展」の図録です。
 椿は国内だけでも約1000種類以上もあるのだそうです。展示されていたのは江戸時代の文化人が愛した椿が紹介され、珍しい椿だけではなく飾り方、活かし方が見事で目を見はるものばかりでした。古の人々が魅了された椿に、改めて椿の持つ清らかさ、初々しさ、華やかさや艶やかさを感じたのです。


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 鑑みますと、日本人に愛された花は椿だけに留まりませんが、その由来や古の人がどのように愛したのか、同じ椿が西洋ではどんな風に紹介されたのかを知ることで花の世界も広がります。初めの花、盛りの花、終わりの花まで向き合う暮らし、共にある暮らしから見えてくるものもあります。教室では育ててみてわかることもご紹介していますが、この百椿図のように、草花にまつわるエピソードや暮らしの中に活かされる室礼についても触れ、ひとつの花をテーマに掘り下げたレッスンにしたいと思っています。

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 3月から始める北鎌倉草花教室、1週目から4週目と多少花の咲き具合に違いはあると思いますが、出来るだけ集めてご紹介します。まずは椿からはじめましょうか。。。 草花がお好きな方ならどなたでも。北鎌倉の山の家でお待ちしています。 
by miki3998 | 2015-03-01 15:28 | | Trackback | Comments(4)

 ミツマタと葉山の海

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   ご近所の庭にミツマタが咲いていました。明け方にひと雨あった後のアスファルトがうっすら湿っているように、ふんわり綿菓子のようなミツマタも適度な湿り気を讃え、オレンジがかった黄色い花がひと際鮮やかに潤って見えます。ぶら下がる様に咲くので、写すほうも下から見上げる様にカメラを向けます。まるで小さなお日様のような春の木の花。もし草花にも体温があるなら、白い毛のような蕾からひとつひとつお日様色に温められて満開のその時には、人肌ぐらいになるのかなあと妄想しながら歩きます。ご存知のように、ミツマタとは、枝が三つに分かれていることからその名がありますが、樹皮の繊維は、紙の原料になります。時を重ね、それぞれの季節を乗り越えて花を咲かせるミツマタ。あの繊細で美しい和紙を作りだした古の人の知恵と工夫の素晴らしさに改めて敬意を払います。


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  久しぶりに葉山の夕日を見ました。友人との語らいを楽しんでいるうちにそんな時刻になっているとも気付かずにおりました。美しい相模湾の夕暮れ... あのミツマタと同じ、オレンジ色がかった春の海です。お店のしつらいは変りましたが、座るのはいつもこの位置と決めています。日没の後の空や海もいいものです。もう少し、ここで眺めていたい気持ちになりました。
by miki3998 | 2015-02-25 14:23 | | Trackback | Comments(2)

香りも魅力 


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 チューリップの魅力 
 幼い女の子にお花の絵を描いてごらんと言ったら、10人中7人くらいはチューリップを選ぶのではないでしょうか。。。あとはヒマワリのような気がします。(子供は明るいイメージで簡潔なデザインが好きです)その理由はいろいろあるかもしれませんが、赤、白、黄色、、、わかりやすい原色と描きやすい形、卒園式や入学式の頃に咲くというタイミングも関係しているように思います。チューリップのデザインは暮らしの中のモチーフとして身近にあり、親しみやすさも加わるのでしょう。好き嫌いは別にして、老若男女に認知される花はバラ以上かもしれません。
 花の魅力は形や色だけではなく、そこに香りもあれば申し分ありません。残念ながらチューリップにいい香りがするという話はあまり聞きませんが、唯一あるとすれば黄色いチューリップです、いえ、だったと言った方がいいですね。現在チューリップの園芸種は2000近くあるらしいのですが、品種改良がされ色や形も豊富になり香りがあるチューリップも増えています。フローラル系の甘い香り、フルーティな香り、そしてスパイシーな香り、びっくりするほど香りの領域が広がりました。もはやお子ちゃまのお絵描きの対象から薔薇や蘭にも負けないほどミステリアスなチューリップが存在するのです。ちなみにこのパレルモは、先日ブログでもご紹介したあのチューリップです。4〜5日経過してより黒みを帯びた紫色へと変わりましたが、何枚も重なる八重の花びらの奥からほのかにスパイシーな香りがします。放つほどのゴージャスな香りではありませんが、終わりの花の艶やかさと神秘的なチューリップの魅力を花に近づいて感じて欲しいものです。



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by miki3998 | 2015-02-20 12:21 | | Trackback | Comments(0)

風と海と丹沢が好き。山の家での毎日を綴っています。鎌倉FMのパーソナリティです。


by miki3998
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