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 おらぁ しあわせだったぁ

 父から電話が入った。
 
  「 もう今夜はうちさつれでくるごどにしたがら、 もさげねがったなぁ、おめさもすんぺかげで。」

 昨夜電話をしてきた弟は、父や母に内緒でかけてきたらしい。心配かけまいとする父と母だが弟は何かあると必ず電話をよこす。エルは私達鎌倉の家族にも世話になったからという弟の気配りも嬉しかった。状況はだいたいは理解していたつもりだった。

 電話は母に代わった。

  「 今朝病院さ行って、エルって声かげだっけ、あだまっこあげで こっちみるのっす。点滴うげでだのに、がんばれぇって言う声にちゃんとかえしてくっれでっす。足ばピクピクって うごがしたっけぇ。 わがるんだなはぁ、 かわいそだった。 もはつれでくるがらねぇ。 すんぺしねでやぁ。」

 ベッドの上でつながれながら点滴を受けるエルを思い浮かべた。口の中にできた癌のために食べ物が喉を通らない状態が続き、意識も混濁しているらしい。もはや命の炎は消えかけているのだ。そんな老犬が、飼い主の家族の声に反応をする。最後の力を振り絞るエルの姿が痛々しくおもわれ、それまで淡々と聞いているつもりだった私も、急に熱いものがこみ上げてきた。

  「 おらはしあわせだったぁ。 エルのおがげで おらはほんとにしあわせだったなぁ。だがら、こんやはつれできて いっしょにうぢでみでけるのさぁ。 そうする、うん、そうするがらよ。」

 父は自分に言い聞かせるようにこう言って電話を切った。

 ペットばやりの昨今、いろいろな飼い方があり、その家族の形もそれぞれだと思う。でもこの老犬があしかけ16年もの間、家族の成長とともに、喜びのときも悲しみの時も傍にいてくれたことは確かであり、あの疑うことのない澄んだ瞳で、落ち込んだ飼い主の顔を覗き込み、いつも後ろからついてきてくれたことは紛れもない事実なのだ。 動物は言葉を話せないし、時に甘えたり、いたずらをしたりする。でもそこには人間の不可解な行動とは違って、ちゃんと理由があり、言葉以上の信号を送っているのだ。 ちょっと席を立つしぐさをしただけで、エルは父が外出する事を察したものだった。

 「 エルもいぐの? わがったがらぁ、つれでぐがらっすぅ。」

父がそう言うと、エルは尻尾を振って元気に堪えた。帽子をかぶって出かける父を、嬉しそうに見上げてついてゆくのだ。

風邪で寝ている私のそばで、ク~ンと鳴いて布団にささってくるのもエルだった。

 かけがえのない家族の死は、こんなふうにしてやってくるのだろうか。そしてその後ぽっかり空いた心のすきまをどうやって埋めるのだろう。それぞれの心の中で、ゆっくり目をとじるエルの姿を想像しなければならないのが辛い。
by miki3998 | 2007-02-26 20:24 | 家族 | Trackback | Comments(62)

もうだめかもしれない・・・。

 「 姉ちゃん、 もはだめがもしれねぁ。」

   さっき1本の電話がなった。 珍しく弟だった。 すこし声が詰まっていて、言葉は少ないけれど、しっかりとしていた。

  「 エルが昨日から入院していて、この2~3日で終わりだど思う。べづにきてほしどがではねけど、おやじもお袋も泣きっぱなしだぁ。 家さつれできでども、 おやじが一日でも長くいぎでるんだら 病院さおぐべって。 足も腰もうごがねし 目も見えねし飯もくわね。 かわいそだっけ。」
 ここで弟は泣き始めて、次の言葉が出てこなくなってしまった。
  「 わかった、出来るだけ早く帰る。」 
 と私。正月に里帰りした時、最後に見たエルの寂しそうな顔と、その横に声を殺して泣いている父を想像してしまった。いまでもはっきり耳の奥に残る父の言葉。
  「 俺よりさぎにいぐなよぉ。なあエルよぉ。」
 母は
  「エルがいねぐなったら 父さん どうなるがしんぺなのっす。」
 と、ひとつ大きなため息をついた。

 エルは弟が東京で仕事をしていた時に、お得意さんからもらったトイプードルだ。まだUターンをし就職するにも、故郷での仕事先が決まっていなかったので、先にもらってきて育てたのは父と母だった。半年して弟が帰郷し、仕事も決まって無事にエルの主人として、弟は実家から仕事場に通った。そして嫁をもらい子供も生まれて今に至っている。

 「ダイもケイもエルを可愛がってくれだがらなぁ、まずはしらせだだげだぁ。 帰ってこなくてもいんだがらなぁ。ねえちゃんにもさ、うんと世話になったがらすぅ。ただ教えだだげだがらなは。もうしわげねな、すんぺかげで。」

  いつかこんな日が来るのはわかっていた。でもその日が来ることが怖くて、誰も口にしないで、じっと見守るだけだった。みんなに愛されて、特に父と母は、エルの世話をしながらエルを通じて夫婦の会話も成り立っていたようなところもあった。

 もらってきた時、ちょうど私達は里帰り中で、うちの長男は5歳で次男は3歳だった。2人ともエルをぬいぐるみのように可愛がり、エルは胃潰瘍になったこともあった。元気に野山を駆け回り、よく食べよく吼えた。帰りの遅い弟を待ち、いつも玄関のドアの前でじっとしているのもエルだったし、寒い冬は父の布団にもぐりこんで、じっと朝まで父を見守るのもエルだった。

  命の灯火はいつかは消え、思い出だけがすべての人の心の中で生き続ける。

  父は今どうしているだろう。母はその傍でどんな顔をしているんだろう。
  どうにもならないジレンマだけが心の底でうづいている。

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by miki3998 | 2007-02-25 21:14 | 今日のつぶやき | Trackback | Comments(34)

 コマーシャル

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     (ミモザ  アネモネ  ラナンキュラス  ガーベラ  ユーカリ マトリカリア )

 
  卒業、入学シーズンを目前にして、テレビのコマーシャルもそれにちなんだものが流されています。化粧品、清涼飲料、車に保険・・・手を変え品を変え、次々にインパクトのあるスポットCMがダラダラと目に入ってきます。時には物語仕立てになったCMもありますね。わざとらしかったり、今流行のやらせてきなものがあったり・・・。すっかり麻痺してしまって、多少過激なものでも「へぇ~。」で終わってしまう自分が怖くなることがあります。

 「 牛乳飲んでます、お小遣い帳つけてます、将来のために わかめたべます。」と言って、去ってゆく女性に懇願する男性のコマーシャル、ご存知ですか? 某消費者金融のコマーシャルで、君のために計画的なこの僕を見てくれ・・・といったコンセプトなんだとおもいます。 最後の 「 将来のために、わかめ たべます!」 が妙にねちっこくて、 手放しで笑えます。別に私の趣味ではありませんよ。でも、あれこれ考えすぎのCMや、やたら白人だけ使ったカッコイイと印象付けたいであろう大企業のCMよりも、こんなたわいないCMのほうが、くすっと笑えて私には好印象なのです。
 そういえば懐かしい歌が使われているCMも多いですね。きっとディレクターは同年代かしら、と想像したりして・・・。 たとえば地方銀行のCMで、女優の酒井 和歌子さんが若い頃の写真の後ろから出てきてニッコリ・・・あのCMです。歌はザ・サべージの『いつまでもいつまでも』という題名だったと思いますが、寺尾聡もメンバーの一人でカレッジポップスのなかでも、バラード風なこの歌が好きでした。あの曲を聴いていたのはたぶん中学生時代、映画が好きで部活をサボって見に行った東宝映画『 めぐりあい 』だったかな(これまた定かではない、私の記憶)、初々しい酒井さんに憧れていましたっけ。
 
 いま気にいっているのは、auのCMソングです。シュープリームスの「恋は焦らず」という60年代のモウタウンサウンド。ダイアナロスもメンバーの一人でした。おりしもアカデミー賞にノミネートされている『ドリームガールズ』はシュープリームス誕生にまつわるお話、タイムリーなCMだなあなんて感心しながら聞いています。独特のビートとハスキーな歌声はただあの頃を懐かしむだけではなく、なぜかワクワクした気分にさせてくれるのです。春だからでしょうか。 笑

 でも本当はね・・・この曲、学生時代の憧れの先輩の車に初めて乗せてもらったときに、カーステレオから聞こえてきた曲だったのです。 ワクワクする気持ちとうっとりする気持ち、その両方を今思い出しながらCMを見ています。 笑
by miki3998 | 2007-02-23 01:45 | 音楽 | Trackback | Comments(40)

 クリスマスローズ

 今日は朝からお天気もよく、我が家のベランダから見える丹沢連峰は、ミルク色の霞に隠れて見えません。寒い日のほうが空気が澄み切って、遠くの山並みまでくっきり見えるのかもしれませんね。そのぶん、普段日影のベランダは日差しが奥まで入ってくれて、小さなハーブの鉢が気持ちよさそうにお日様の光をいっぱい浴びています。春はすぐそこまで来ているようです。
 
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 これはクリスマスローズのこぼれダネから育った小さな苗です。 友人宅の庭にたくさん見つけて、いくつかいただいてきました。 さて、どこまで大きくなってくれるのでしょう。

 
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 順調に育ったクリスマスローズ、こうなるはず・・・です。笑

 クリスマスローズ、お好きな方が多いと思いますので、ここでちょっと一口メモ。
  和名『 初雪起こし』 、これは白洲正子さんのエッセイにある呼び名だそうです。これはクリスマスの頃に咲くヘラボレス二ガーという種類で花は白く、直径5センチほどの大きさです。
  一方春先に咲くのがヘラボレスオリエンタル、キリスト教の四旬節に因んで2月から4月頃まで咲きます。春先クリスマスローズ、または和名を『 寒芍薬 』というそうです。
                            ( 参考文献  川瀬敏郎 四季の花手帖)
 
  もしもっとクリスマスローズのことをお知りになりたい方、実物を見たい方、こちらにいらしてみてはいかがでしょうか。
  
  第5回 クリスマスローズの世界展 2007 
           2月23日 24日 25日 
           場所 サンシャインシティ 展示ホールA  
  
   詳しい内容は、サンシャインシティで検索するとでてくると思います。こちらのご案内は杏さんにいただいたのですが、私もぜひ池袋まで足を伸ばしてみたいと思っております。 何しろクリスマスローズには目がないので・・・笑。
by miki3998 | 2007-02-21 19:28 | 今日のつぶやき | Trackback | Comments(40)

 雑誌 アルネ 

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この本、ご存知ですか? (携帯の画像で 見難くてすみません。) 

 『 Arne アルネ 』 イラストレーターの大橋 歩さんが編集をなさっている雑誌です。 
 年に4冊、特定の書店でしか扱っていませんが、ネットでも通販できます。 なんてね、別にこの会社の回し者ではありません。

 私は鎌倉の「 たらば書房 」というお店が好きで、本はなるべくそこで買うことにしています。裏駅の小さな本屋さんは、そこのご主人の好みがそこはかとなく感じられ、私の好きなジャンルの本が充実しています。お店のレジにいる女性も感じがいい。別に愛想笑いするわけではないのです。想像するに、いかにも本好きといった感じの清楚な人です。すべからくお店もご主人もそしてお姉さんも(年下ですが)あくまで、さりげなくていい感じのお店です。
 コンビにでも本を売っている時代です。大手の書店は駅ビルにワンフロアーで構え、何でもありの品揃え。それはそれで、探し物の本を急いで買いたいときに助かるのですが。出来ればこんなお店に頑張って欲しいですね。
 北鎌倉にも数年前まで、小さな本屋さんがありました。文房具も売っていて、消しゴムやノート、絵の具が一色だけなくなったとき、息子達は学校帰りに立ち寄って買っていました。ときどきマンガも立ち読みしていただろうというその本屋さんも、時代の変化についてゆけなかったのでしょうか、つぶれてしまって、今はコインパーキングです。寂しいことです。

 あれ、何の話をしていたんでしたっけ? そうそう、この本の話です。
 そのたらば書房で毎号買っている『 アルネ 』です。編集の大橋さんは、平凡パンチ時代からイラストのセンスが大好きでした。おしゃれで、家作りもこだわっていらっしゃる・・・という記事を読んだことがあります。もちろんこの本も毎回こだわりの記事が特集されています。お料理好きな方、手仕事がお好きな方、ぜひ一度本屋さんで開いてみてください。広告が載っていたいのも私好み・・・あれ ○フレックスの家具のイラスト・・・これは広告? ぐらいですから・・・笑。

  追記  盛岡の朝市の記事もあって、懐かしいです!

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 追記: すみません、記事の内容を修正しました。 でもこの本の面白さはお薦めです!

                      薮椿  アイビーの葉
   

   
by miki3998 | 2007-02-19 22:07 | 今日のつぶやき | Trackback(1) | Comments(44)

星の王子さまと私

  愛読書の一冊に サン テグジュぺリの『 星の王子さま 』があります。
  初めて手にしたのはいつだったのでしょう・・・小学生の時かしら。学校の図書館で、絵本だと思って開いたのだと記憶しています。その独特の挿絵と、登場人物、(キツネを含めてね) 最後のページのシンプルな線と一つの星だけの寂しい終わり方・・・私にはお話の内容よりも、その絵の中の、首をちょっと傾げたような王子さまの心細そうな表情だけが印象に残ったものでした。その後、学生時代にも何度か読み、そのたびに印象が変わった本でした。

 昨夜放送されたテレビ番組『 ETV特集 星の王子さまと私 』、一時間半たっぷりと、作者サン テグジュぺリに関してや妻コンスエロへの深い愛について・・・など、たいへん興味深い内容でした。この本はいまや17冊もの新訳が出ているそうですが、私が読んだのはもちろんあの内藤氏が訳した「です、ます」調の文体で、とても穏やかで優しく言葉がスーッと心に入ってくるのです。まるで王子さまと自分自身がオーバーラップしたり、時には飛行士の立場になったり・・・大人になった今、それは単なる絵本ではなく、まるで哲学書のような存在の本となりました。

 番組はこの本の「言葉へのこだわり」から始まり、署名人の感想だけでなく、一般の方の本に対するメッセージや大切にしているフレーズなどが紹介されました。私が大好きな歌舞伎役者中村 吉右衛門さんはこの本を座右の書としているそうです。
 そしてもう一人、物語への深い思いを抱く方 作家の柳田邦男さんがこうお話をされています。
 柳田氏の息子さんは14年前、この本をお父様にプレゼントなさったのだそうです。そしてその後自ら命を断ちました。この本は孤独を深く語った本だと締めくくっておられると同時に、命の尊さ、存在自体のいとおしさに関しても言葉を詰まらせながら説いておられました。

 キツネと王子さまの会話でこんな部分があります。
「 心で見なければみえてこない  大切なものは 目には見えないんだよ 」
 
「Apprivoiser アプリボワゼ」 という言葉がキーワードのように、本来の人間関係は、手っ取り早く見た目で仲良くなるのではなく、時間をかけてゆっくり目には見えない信頼関係を築くこと、さあ僕をアプリボワゼしてくれ(飼いならしてくれ)・・とキツネが頼むように、積極的に絆を作ろうよ、といっているように思えます。

 私は王子さまはテグジュぺリで、バラはコンスエロだと思いました。我侭で勝手なバラに別れを告げて地球へきたのに、そのバラがいとおしくなり星へと帰っていくのは、ぶつかり合いながらもお互いを必要とする2人の関係だったかもしれません。見えている部分よりも見えない部分を心の目で見つめる・・・う~ん、私にも必要だなあ。 

 えっ、ということは私がバラで、主人が星の王子さま・・・・アハハ、誰ですか、そこで笑っているのは? 笑

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by miki3998 | 2007-02-18 11:55 | お気に入り | Trackback | Comments(30)

福神漬け

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  いやあ、つかれだぁなはん、yuming さん! おもさげながったよぉ。

  おらほのパソコン、もは寿命だべがぁ。写真はいっていがねんだもの。 なに? なんとがなるってかぁ~? うだば おめはんさ たのむよぉ。 おらは おちゃっこでものんで まってるがらっす。

 ということで、今日のレッスンの後、生徒のyumingさんに任せて、何とか写真を取り込む方法をご伝授いただきました。 何々、アレをこうして、コレをああして・・・??? 脳みそが佃煮状態で、さっぱり分かりません! オマケに携帯の画像をそのまま調整せずにエキサイトにおくってしまったり・・・。3年も使っているのに、今気がついたのです。それはパソコン用のサイズに調整してから携帯で撮るということ。 屁~、こんなことも出来るんだ。ありゃりゃ、屁~じゃなくて、へ~です。 もう疲れているので、記事のアップもしどろもどろ。何もしていないのにね。笑

 よかったわあ、yumingさんが生徒さんで。お世話になったお礼は、実家の母が作ってくれた「福神漬け」です。 人参、大根、ごぼう、蓮根、きゅうり、青大豆、ナス、数の子、生姜、昆布、シイタケ、紫蘇の実・・・・今年はナタマメがなかったらしく入っていませんでした。
 七福神からきたこの名前ですが、七種類以上、今年は12種類かな。暮れから漬けはじめますが、下準備が大変です。漬け汁も母流です(企業秘密) 嘘です!
  お正月頃から食べられるのですが、先月食べた時は若い味でした。そして今度送ってきたのは味も熟成していて、本当に美味しい。

  母から言われた言葉。
   「 いづまでもくってばりいねで そろそろおぼえでけでやぁ。 かあさんがしんだら、だれもつぐってけねんだがらなはん。」 
  うだなぁ、そろそろおらもつぐりかた おべねばなぁ。
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   シンビジュウム  蝋梅  水仙  パンジー トキワマンサクの枝 
  

 
by miki3998 | 2007-02-16 20:20 | お気に入り | Trackback | Comments(47)

映画 大好き!

 また観てしまったぁ。 ダーダーバー、シャバダバダ シャバダバダ、ダーダーバー、シャバダバダ シャバダバダ ♪
  映画 『 男と女 』です。一昨日12時過ぎ、翌日ののレッスンのためにお花の水切りをしておりました。眠気覚ましにテレビのスイッチを点けると、モノクロの画面に知的な美人が・・・あれ~、アヌークエーメだわ、ということは『男と女』・・・これは見なくちゃ・・・。という訳で、持っていた鋏を置いて、ソファにどっかりすわり、もうカウチポテト状態です。

  いつ見ても綺麗ですね。節目がちな瞳を覆うような黒くて長い睫毛、細くて高い鼻、真ん中から分けたストレートボブの黒髪(ここだけは同じなのです、私。笑)、何よりも羨ましいのは、そのスレンダーなボディ。黒いスリップがいやらしくなく、大人の女性をますます魅力的に包みます。タバコの吸い方まで綺麗で格好いいですね。

  実はこの映画については昨年の5月31日のブログでも取り上げていました。その時も夜中のBSシネマ『男と女』を観て、アヌーク・エーメをバラに例えるならブラックティーかしら・・という内容でした。カトリーヌ・ドヌーブもオードリー・ヘップバーンも、ラクウェル・ウェルチもミシェル・ファイファーも、みんな好きだけれど、やっぱり彼女が一番かなぁ。 人って自分にはないものに憧れる動物なんですね、笑。、どう頑張っても彼女のアンニュイな表情を真似することはできません。(当たり前!)映画の後に共演したピエール・バルーと結婚したと言うのですから、彼女って素直で飾らず、でもあくまでも神秘的な女優だと思いました。

  そして昨夜の映画は子供の頃に観た『 禁じられた遊び 』でした。 お若い方はご存じないかもしれませんが、テーマ曲だけは耳にしたことが有ると思います。ギターを習うときの定番の曲でしたね。
  この映画もいい映画です。戦争の悲惨さを子供達の過酷な運命をモチーフにして描かれていて、墓場から盗んだ十字架で遊ぶ二人の幼子。ポーレット役の女の子ブリジット・フォセーと兄貴のようにポーレットを可愛がるミッシェル役のジョルジュ・ブージュリー。2人とも演技が本当に上手でした。特にブリジッドはその可愛さとはかなさを両方持った女の子。 最後まで観客はこの2人を見守る母親、あるいは父親の気分になってハラハラしたと思います。最後、人込みの中で「 ミッシェル、ミッシェル・・・」と必死で探すポーレットの不安げな表情が忘れられませんね。そばに置いてあったティッシュがグジャグジャになるくらい泣けました。この映画の監督ルネ・クレマンは、その後あのアラン・ドロン主演の『 太陽がいっぱい 』を製作しています。いい仕事していますね~。

 さて日付が変わりましたが、今夜のBSシネマは大好きなポール・ニューマンの『 明日に向かって撃て 』です。ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロスとの微妙な三角関係と、バート・バカラックの映画音楽を楽しむことが出来ます。中学生の時に観た映画ですが、英語の歌詞は、今でも口ずさめます。またまた夜更かしだわぁ。ちなみに今テレビではスティーブ・マックイーンとフェイ・ダナウエイの『 華麗なる賭け 』をやっます。 どうやら 病み付きになりそうです! 笑

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行きつけの花屋さんにお勤めだったお嬢さんが結婚しました。その報告にいらした時、私は留守だったのですが、ドアの前にこのビオラの鉢と結婚を告げるお手紙が置いてあったのです。長い間お花を愛し一生懸命お仕事をされてましたね。「お世話になりました・・・」とありましたが、こちらこそです。これからはお花と同じくらい、ご主人を愛して差し上げてくださいね。

  
by miki3998 | 2007-02-15 00:39 | 映画 ・ドラマ | Trackback | Comments(22)

イヤープレート  

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   テーブルウェア・フェスティバル今年の海外特集は ロイヤルコペンハーゲンでした。 
   ここで私がこのブランドの説明をするまでもなく、多くのブロガーさんはその伝統的な美と確かな技術に魅了され、お好みのカップやプレートをお持ちだと思います。
    正直言って私は家の中でフォーマルなセッティングをする機会も無く、ほとんどがカジュアルなスタイルでもてなすことが多いので、持っていた金線いりのディナーセットもガレージセールで処分しました。そしてこのブランドも、ミッドセンチュリーのアンティークや最近のデザインでお値段も手ごろなカジュアルラインのものしか持っていません。色も形もポップな感じでそのまま我が家のキッチンにもピッタリ似合います。何よりも使いやすい食器としてのロイヤルコペンハーゲンが好きなのです。

   ところが唯一、使えない食器で好きなものがあります。イヤープレートです。
   写真は1955年のイヤープレートです。会場には1908年から始まった1枚目のプレートから100枚目まで、順番に綺麗に飾られていました。今年100枚目のアニバーサリープレートは緑と白のスペシャル仕様で金のフレームでした。でもやはりイヤープレートは青がいいですね、なぜでしょう。 食器の白と青の関係って、遠い昔の東洋の食器にも共通する色の組み合わせだからでしょうか、落ち着きますね。
  100枚のお皿に描かれたストーリー。どれを見ても思わず微笑んでしまいそうな、優しい絵皿ばかりです。子供の誕生した年、結婚した年、自分達の家を持った年、・・・心に刻まれた大切な思い出が、このイヤープレートを眺めるたびに蘇り、優しい青のなかの小さな物語に自分達の世界を重ねる喜び。人はその喜びのためこのプレートを求めるのかもしれませんね。
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 注) 上のお写真は、フェスティバルにご一緒だった杏さんに送っていただいたものです。私のためにあえてこの一枚を・・・・?  杏さん、ありがとう! 笑
   下の写真は我が家のダイニングルームのもの。1973年製。  
by miki3998 | 2007-02-12 23:50 | 今日のつぶやき | Trackback | Comments(40)

テーブルウェアフェスティバル2007 万年青を飾る

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  2月9日金曜日、この日私はブログのお友達お二人とご一緒に、東京ドームで開催されている『 テーブルウェア・フェスティバル2007 暮らしを彩る器展』に行ってまいりました。
  日本の伝統的な陶器・磁器・漆器はもとより、海外からも洗練された食空間を演出するブランドの豪華な食器が展示され、久しぶりに目の保養をさせていただきました。

  私は食器やテーブルコーディネートも興味がありますが、やはり作品の横に飾られた珍しい草花や、嗜好を凝らせてテーブルを飾るだけに終わらないその奥の季節感に注目いたしました。
  写真はアマチュアの方が提案された食空間コンテストの作品です。テーマは「定年を迎えたご主人への祝いの食事」でした。 テーブルコーディネートのプロではないので、批評めいたことは出来ませんが、無理のないゆったりとした空間に、食事と安らぎがバランスよく感じられ、何よりもご主人をねぎらう奥様のお気持ちが現れていると感じました。

 それはテーブルの上の 『 おもと (万年青)』です。
 真ん中に飾られたフラワーアレンジメントではなく、テーブルのはじのほうにそっと飾られています。きっとお庭から摘んできたおもとや南天の葉、菊の花が2~3種類でしょうか、さりげないけれど祝いの席を彩るに相応しい花あしらいだとおもいました。
 元来おもととは、おめでたいお花で、新築祝いや引っ越し祝いに使われます。あの徳川家康も江戸城に入る時、床の間におもとを飾ったと言われます。漢字で万年青と書くのは、葉の色や姿が一年中青青としていること、災難から家を守りその家の末代までの繁栄を表す植物なのです。不老長寿の縁起のいい植物としても有名で、強心と利尿効果が有るとされています。大きな葉はその赤い実を寒さから守り、そして実は増えてゆく・・・まるでこの青い大きな葉がご主人で、家族と言う赤い実を守って生きてきた姿を表しているように感じました。
 
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  この日ご一緒したのは、インテリアコーディネーターの丁子色さんと、お稽古事も家事や子育ても一生懸命の杏さんのお二人です。会場を埋め尽くす数々のブランド食器の素晴らしさにため息をつきながら、お二人ともカメラのシャッターを切っておられました。実は私はパソコンが壊れてしまって写真を取り込めません。事情をお話しましたら、丁子色さんが私が気になる作品を撮ってくださって、送っていただけることになったのです。流石でしょ、焦点のあて方はインテリアコーディネーターの目ですよね。

  テーブルの上のシルバーのお重の中には、きっと奥様が腕を振るって作られた、ご主人の好物ばかりが入っていたと思います。我が家では主人がフリーで仕事をしておりますので、定年はありませんが、いつかこんな風に、子育てや仕事の苦労を振り返りながら、お互いをねぎらうような素敵な食卓を楽しみたいと思います。もちろんテーブルの上には万年青を飾ってね。
by miki3998 | 2007-02-10 21:30 | | Trackback(3) | Comments(62)

風と海と丹沢が好き。山の家での毎日を綴っています。鎌倉FMのパーソナリティです。


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