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里帰り

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                     < 父の好きなカリントウと干し芋 >

一月の里帰りは何年ぶりだろう。夏か秋に仕事を兼ねて帰ることはあっても、ただ親の顔を見に帰るなんてことは3年ぶり…いや、もっとかもしれない。母が鎌倉に来ることはあっても、体の不自由な父はもう新幹線に乗ることは無理だろう。たまに電話で話していても、すっかり気が弱くなったのか、途中から泣き出すようになった。理由はないのだ、単に「風邪ひぐなよ。飯、ちゃんと食べでらがぁ…」の二言三言で感極まるのだ。
こんな親不孝娘でも、顔を見せれば元気になるだろう。雪で閉ざされた毎日、年寄りの楽しみなどもう何もないのだ。ひたすら娘や孫の無事のみ願って生きているような親である。案の定、「ただいま。」と言って帰った途端、「ありがど、ありがど。」と言って顔をくしゃくしゃにして泣いている。来た途端こうだ。鎌倉に帰る日はもっとだろうなあ…ちょっと辛いな。

タクシーの運転手さんの話では、私が来るまでは、穏やかな日が続いていたそうだが、着いたその夜からぐっと冷え込み、日中も雪がちらつくようになった。そう言えば、暮れよりも小正月のあたりにドカ雪がふったりしたものだ。まあ別に出かけるわけでもなく、誰と会うわけでもない。朝起きたら犬の散歩をして、食事の手伝いやら世間話やら、買い物を一緒にしたり、風呂に入る父の背中を流してやるくらいしかすることはないのだ。というよりむしろ、そんなことをしたくて帰ってきたのだ。
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犬の散歩に出た際に、雪の中を元気にそり遊びをする子供達がいた。近くの保育園の園児たちだ。鼻水を垂らしながら土手を駆け上ったり、転んでも気にせず走り回る二、三歳の子供たち。いいなあ、子供は風の子だな。雪国だから雪ん子か、うん…などとブツブツ独り言を言いながら犬に引かれて歩く。雪と風が顔を刺し、長靴のつま先が凍りそうに冷たくなる。私が居ない時は母が、姪っ子がこうして散歩に出ているんだろうな。冬の日常はこんなものだ。

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父を床屋に連れて行った。右手右足が不自由なので、最近は電気カミソリも持ちにくくなったようだ。まるで仙人のような髪と髭、ちょっとびっくりした。家の者に頼みにくいのか、単にせっこぎ(めんどくさがりやのこと)して行かないのか、さすがに自分でもこれはいかんと思ったのか、「床屋さ連れでってけろ。」ということになった。車で近所の床屋に…確かに不自由な身体で床屋の店先まで行くのは無理。まして雪道、タクシーで行くにしろ介添えは体力のある者が必要となる。父は遠慮していたのかもしれないなあ。我慢してできるだけ世話をかけないようにしていたのかも。
床屋の主は60代の女性で、父のことをよく知る人だった。「前は犬を自転車に乗せて走る元気なおんじさんだったもねぇ。」そう、その通りだ。事情を知るその人は、散髪と髭剃りを丁寧に時間をかけてしてくれた。その間、父と世間話をしながら。そうゆう店が近くにあってよかった。年寄りが話をしたり聞いてくれる人がいる店を大事にしたい。その人は父が車に乗るまで手を取り肩を貸してくれた。次にまた父をお願いしますと挨拶をして帰ってきた。

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                < 弟が書いた娘のためのアンチョコ。この言葉は死語? >

同居する弟夫婦の娘は受験生、今が本番真っ盛りだ。家の中のあちこちに紙に書いたアンチョコが貼ってある。早いものでこの春高校生になる。まるでかぐや姫を育てる年寄りみたいだと笑って過ごしたものだが、もう15歳、そして両親は二人とも80歳をこえた。気丈な母でなければここまでやってこれなかったろう。子煩悩な父でなければ今の私もない。わがままな娘を泣きじゃくりながら玄関先まで杖をついて見送る父、87歳。
また来るね。
もう私は新幹線に乗っている。

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by miki3998 | 2014-01-12 16:48 | Trackback | Comments(12)

『 縁起物 1月のスケジュール 』

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 お待たせしました。今月のスケジュールをお知らせします。
 松が明けましたが、地方によっては1月の15日まで松飾りがそのままのお宅もあるかと思います。明日は今年最初のレザンジュサロン。テーマは『縁起物』。写真は銭洗い弁財天でいただいた御浄銭です。今年一年の運気を呼び込む縁起物をご紹介しながら、早春の北鎌倉界隈を散歩した際にみかけた草花のお話もさせていただきます。新しい年、襟を正し気持ちを引き締めて、みなさまとお目にかかる準備をしています。パティシエがこの日のためだけにご用意したオリジナルのスイーツの数々をご堪能下さい。本年もレザンジュ鎌倉本店をどうぞよろしくお願いします。
 <なお、お一人様、キャンセルが出ましたので、ご都合のよろしい方は、直接レザンジュ鎌倉本店までお申し込みください。 0467−23−3636>


  北鎌倉草花教室の日程  『 早春の草花を盛るように生ける 』
   14日(火曜日)と28日(火曜日) am11:00~   豊田邸にて 器の会もございます。
   16日(木曜日) am10:30~     拙宅にて 
   21日(火曜日) am10:30~    二子玉川高島屋サロン
   24日(金曜日) am10:30~   拙宅にて
   19日(日曜日) 26日(日曜日)am10:30~   拙宅
   29日(水曜日) am10:30~   拙宅

   お申し込みは順次受け付けております。コメント欄からお名前、連絡先を記入の上、こちらから電話でご説明をさせていただいております。まずは体験レッスンからどうぞ。


  

   



by miki3998 | 2014-01-08 11:22 | スケジュール | Trackback | Comments(2)

新しい年を迎えて 

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         「 明けまして おめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。」


 新春早々嬉しい贈り物が届いた。馴染みの宅配便のお兄さんと年始の挨拶をすませ、いそいそと鋏を取りに書斎へ。
 開ける時のワクワク感は何とも言えない。きっと顔はニヤけているだろう。たぶんあの人からのアレだなあ。。。そう思いながら開封する。それは毎年年末に届くカレンダーで、一緒にオーガニックキャンドルが入っていた。お花の教室の生徒からで、私の好みを知って、毎年同じ作家のカレンダーを送ってくれている。それは生けるというより あしらうと言ったほうがいいかもしれない。『花と果実』というテーマの12枚のカードのようなカレンダー。月ごとにさりげない花あしらいのそれらは、どこかピーンと張りつめた空気感と草花や果実から匂い立つ香りが伝わってくるシンプルな写真集とも言える。壁に飾るカレンダーとしてではなく、ときどき眺めては草花に向かう自分の気持ちを確かめるような道具になってしまっている。Junちゃん、ありがとう。またこの12枚から温かい気持ちをもらって今年も頑張れるよ。 

  
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              < 大晦日のリビング。みんなが起きてくる前に準備。 >

 元旦は家族揃っておせちをいただき、一日のんびり家で過ごした。長男夫婦、次男坊、そして1歳になった孫がいる正月は初めてで、久しぶりに賑やかな食卓だった。家の中に家族の笑い声や幼い子供のむずかる声がするのはいいものだ。しあわせは探すものではなく、すぐ目の前にあるのだとつくづくそう思った。多忙な年末の私を気遣って、実家からおせちがお重ごと届き、大晦日までなんの手間もかからずに、仕事にうちこめたのは両親のお蔭。相変わらず頭が上がらない。新春の挨拶をと電話をすると、父は「元気ならいいんだ、元気なら。」と声を詰まらせた。気丈な母は、鍋用の海産物が届いているか確認するだけ。私より孫の声、(あ、母からしたら曾孫だ)を聞きたいようだった。

  
   
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 二日は嫁さんの実家に長男夫婦で挨拶に出かけた。次男は仕事、初売り初日で早々に出勤。私ひとりになったので、今年初めての散歩に出た。穏やかな日差しが竹林や山茶花の生け垣を照らす。ミツマタも蕾をつけていた。春を待ちかねて咲くので昔の人は「さきさく』とも呼んだらしい。毛羽立ったような銀色の蕾はどこか品格のある姿をしている。
 花を眺めながら、通りで出会った人と新年の挨拶をするのも気持ちがいい。「今年もよろしくお願いします。」と立ちどまり、頭を下げる。。。実にいい光景だ。

 
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  慌ただしく去った年の終わりに、感謝の気持ちを込めて除夜の鐘をつき、迎えた新しい年を、日の出を拝みながら希望の年にとひたすら願う。毎年同じように過ごしても、確実に何かが変わり、変らない何かが続いてゆく。 


 
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< 浄智寺で除夜の鐘。温かいお汁粉もいただいた。>

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<稲村ケ崎から望む初日の出> 








by miki3998 | 2014-01-03 06:03 | 今日のつぶやき | Comments(8)

風と海と丹沢が好き。山の家での毎日を綴っています。鎌倉FMのパーソナリティです。


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