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風と竹林と丹沢と...

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 庭師のおじいさんが、フキノトウを探しに山に行った。私は畑が気になって、長靴を履いて午後から裏山へ。
 主を亡くした畑は、伸びっぱなしの笹竹と蔓で覆われ、前にも後ろにも身動きすらできない。腰もかがめないので、フキノトウやセリなど山の春をみつけるのは難しい。


 
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 ピューピューと風の波が押し寄せると、竹は大きく揺れながらカランコロンとぶつかりながら軽やかな音で応える。
 今日の丹沢は、雪を被った山肌までくっきり見えて美しい。


  
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  帰りにお隣のおばさまに梅の花が咲いたことを報告しながら縁側でお茶をいただく。
 日差しが足元まで届いて暖かい。手を合わせるように湯のみを握ると心も温まってくる。おばさまの煎れたお茶は、いつも美味しい。

  

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by miki3998 | 2015-01-31 14:49 | 今日のつぶやき | Trackback | Comments(0)

ミュージカル『メンフィス』を観て...

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 予報通り、関東地方は朝から雪。高台の拙宅には、北東の風がヒューヒューと音をたてながら大粒の雨を連れてきます。
 雨だれで窓が縞模様になり、ガスがかかったような北鎌倉の山々、春はまだ遠いと言いたいのでしょうか、景色も白くぼやけて見えます。
 
 今日が初日のミュージカル『メンフィス』、一足先に昨夜、赤坂のACTシアターで行なわれたゲネプロ(とおし稽古)を鑑賞してきました。
 主役の白人青年ヒューイ役の山本耕史さんは俳優としての演技しかしりませんでしたが、素晴らしい歌唱力もお持ちだったんですね。「ひとつ屋根の下」の文也役や、「新撰組」の土方役、「陽炎の辻」の磐音役(これ、とても好きな時代劇でした)の印象が強かったのですが、歌って踊れるミュージカルスターだったとは。。。息子に聞きましたら、山本さんはギターも相当な腕前(腕前というのかどうか。語彙が貧困ですいません)なんだそうで、まったくその方面に疎いと言うか、何も知らずに出かけただけに感動も一入でした。もう一人のヒロイン・黒人女性ファレル役の濱田めぐみさん(劇団四季出身)も(これまた初めて拝見)小さい体に似合わぬソウルフルな歌声と表現力、花のある役者さんで、ゴスペルを歌う場面では会場いっぱいに響くその歌声に鳥肌がたちました。切ないストーリーもエンディングを迎える頃には熱のこもった歌と演技も最高潮、思わず目頭が熱くなるほどの感動を覚えました。(最近富みに涙もろくなっていますが...) 

 実はつい先日も『プルートゥ PLURO』という森山未來さんや柄本明さん、永作博美さん出演のお芝居を観たばかりで、生の演技を堪能する機会に恵まれています。音楽もそうですがライブの醍醐味は、演奏者や演技者と一体になり、汗や呼吸、眼差しの先まで共有できることではないでしょうか。手を叩き体が一緒に動いてしまうほどその場面に入り込んだ昨夜のミュージカル。感動を素直に表すことがミュージカルの一番の楽しみ方だと改めて思いました。興奮はまだ続いています。


 
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by miki3998 | 2015-01-30 16:43 | お気に入り | Trackback | Comments(2)

銀座教室のご案内 

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 スケジュールでもご案内をしましたが、2月は銀座並木通りのBar Le sept にて銀座教室がございます。
 北鎌倉は少し遠いのでという方、またお仕事帰り、買い物の帰りに立ち寄れるという方、
 よろしければLe sept でご一緒に春の球根草を使った『贈り花』のレッスンはいかがですか。
 今回は「贈り花を篭に」というテーマで、アンティーク仕上げのアイアンバスケットをご用意しました。
 日時 2月14日 18:00〜21:00 レッスン料 8000円(1ドリンクお食事付き)
 レッスンの後は、オーナーののり子さんが腕によりをかけた美味しい料理を召し上がっていただきます。
 どうぞお楽しみに。<お申し込みはLe sept 03−5537−2388まで> 


    
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          トサミズキの花が咲きました。庭のヒュウガミズキはまだです。
    毛糸玉が入ったアイアンのバスケット、こちらを銀座教室で。。。そのままお持ち帰りです。
              いかがですか?素敵でしょ!

            

by miki3998 | 2015-01-30 14:00 | | Trackback | Comments(0)

2月は逃げる? 今月のスケジュールです。

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 1月は行く、2月は逃げる、3月は去る。。。学生時代、3学期ってあっという間だなあと思いましたが、春を待つ気持ちが急いているからでしょうか、月日の流れがいつも以上にはやいような気がします。節分を過ぎても、北風は冷たく竹林を大きく揺らしていますが、庭に出てみるとヒュウガミズキの蕾は黄色みを強くし、バラの新芽が赤く膨らんでいます。裏の畑では、湿った薮や枯れ草の隙間から柔らかいセリが生えているのが見えました。ついこの間まで霜柱が立って土も凍えて堅かったのに、日差しの強さと長さが植物の味方になり成長を助けます。
 そんな2月のスケジュールです。ご確認ください。
 なお今月のレッスンは、試験的に開始時間を変更しております。一部を除き、拙宅でのレッスンは午後2時から始めます。
 お間違えのないように、よろしくお願いします。


   Studio Plants 2月のスケジュール
    2/5 10:30~ 12:00 レザンジュサロン @西鎌倉店 ご予約受付中です。
     /14 18:00~21:00 銀座教室 @並木通りLe Sept  
     /24 11:00~14:00 草花教室 @office toyoda
    /10, 19, 21, 27, 14:00~16:00 草花教室 @拙宅 

    ※22(日)28(土)14:00~16:00の両日、一日教室を開きます。
     入会をご希望の方のためのレッスンになりますので、コメント欄からお名前と連絡先をどうぞ。


 
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by miki3998 | 2015-01-29 14:23 | スケジュール | Trackback | Comments(2)

始発に乗って。。。

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 5時14分、北鎌倉から鎌倉方面への始発の時間です。晴れた日は運動代わりに歩いてスタジオに向かいますが、1月の早朝5時と言えば、空にはまだ月が浮かび星が瞬いています。山の上は高い建物も明るいネオンもありませんから、遠くまで見渡せますし、音もなく静かな世界。寒い日は毛糸の帽子や手袋も欲しくなります。今更ですが、毛糸の暖かさを改めて感じています。ほんと、あったかい。。。
 山を降りながら今日の番組の段取りやゲストとの会話を思いめぐらせながら歩きます。季節によって見える景色が違いますが、明け始める冬の景色は格別な美しさがあり、車でスタジオに向かう時とは違う楽しみを味わえます。

 
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 鎌倉駅の紀伊国屋側から御成通りを過ぎて右に折れると、六地蔵がある交差点に出ます。まだ薄暗い中、LEDライトに照らされる6体のお地蔵様で立ちどまりご挨拶。願うことなど何もなく、おはようございます、ありがとうございますと声をかけるだけ。不謹慎かもしれませんが、そこにいるのはお地蔵様の体をした6人の子供たちという認識です。信号が変わりました。またひたすら歩き、スタジオに向かいます。      


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 この日のゲストは鎌倉材木座にお住まいのデザイナー長嶋淳さん、満を持してのご登場となりました。お名前とそのお仕事ぶりは以前より知っておりましたしが、お話をする機会がありませんでした。取材を申し込むと快諾してくださり、数日前にお目にかかってお話を...まるで旧知の友のように弾むおしゃべり、きっとラジオも楽しい内容になるに違いありません。そして予想通り、暮らしぶりはもちろん、70年代の音楽にも詳しい長嶋さんオススメの音源もお持ちいただき、特集コーナーが充実した内容の放送になりました。リスナーをはじめ、コメントを寄せてくださったみなさまに、ここで改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。                           


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「おはよう鎌倉」は現在パソコンやスマートフォンからでもお聴きになれます。私がパーソナリティになってから、ユーストリームやツイットキャスティングを利用して、ラジオが聴けるように工夫しながら続けてまいりました。少しずつではありますが、確実にリスナーが増えています。最近おすすめなのが、Tune In Radioというアプリです。これをダウンロードしていただくと、世界中どこからでも鎌倉FMの番組を聴くことができます。イタリア、フランス、イギリス、アメリカからでもです。時間帯や曜日によって番組内容はいろいろ、またその間にはジャズやハワイアンを聴くこともできます。湘南エリア以外の方で聴けないと諦めていらっしゃる方もぜひ一度お聴きになってみてください。82.8鎌倉FMがリスナーのみなさんにとって、快適生活情報局としてお役に立てれば嬉しいです。                               

長嶋淳さんのプロフィールはこちらを。昨日の音源は下記のとおりです。

1. Touch me in the morning  ダイアナ ロス
2. ガラスのニューヨーク ビリー ジョエル    
3.Cosmic Cowboy ニッティ グリティ ダートバンド
4.Teach your Children クロスビースティルス ナッシュ&ヤング
5.ぼくはちょっと  細野晴臣                 
                                               




by miki3998 | 2015-01-27 14:24 | 鎌倉FM  『 おはよう鎌倉 』 | Trackback | Comments(4)

花巻教室のこと その2

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 無ら里には真っ赤な薪ストーブがあります。この煙突から白い煙が出ているのですが...写ってないですね、風が強かったせいでしょうか。
 花巻市の中心部からはちょっと離れていますが、周囲を田んぼとハトムギ畑に囲まれたカラ松林の中にあって、とても静かな隠れ家のようなレストランです。 


 冬の間も宿泊のお客様がいらしたり、親しい作家さんたちの作品を展示するギャラリーになったり、食事にいらっしゃるお客様はオーナーの滝さんの温かい人柄に魅かれ、まさにぶらっと立ち寄りお茶をのみながら世間話をしていくような方も。思えば滝さんご自身があの真っ赤なストーブのような方なのかもしれません。 

 メニューも地元野菜をふんだんに使った家庭料理がメインで、お腹がいっぱいになるようなボリューム。デザートもサプライズな食材を上手にアレンジしてお皿いっぱい並べられるのです。この日、私がいただいたランチをご紹介しましょう。

 
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                 チリコンカンと生ハム、ペンネにはカブの葉のソースを。
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                 温野菜(絹ザヤ、長芋、レンコン、人参)、ゴボウの素揚げには柿のソース
 
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                                                                 ロールキャベツ

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                 酒粕のジェラード、クリームチーズと黒豆の最中、


 撮り忘れましたが、これに五穀米のご飯と野菜たっぷり入ったアサリの味噌汁、ポテトサラダと香の物が付きます。そしてデザートと一緒にコーヒーか紅茶も選べます。どうですか、ボリュームがありますよね。どれも美味しくて心がこもったやさしい家庭料理ばかり。熱々のロールキャベツは寒い日にぴったり。温野菜にかけられたオレンジ色のソースは渋抜きした柿で作ったそうです。食欲をそそる色彩と季節感のある素材選び。デザートの酒粕のジェラードやクリームチーズと黒豆の最中は、サクサクして美味しかった。。。クリームチーズが最中の餡になるとは思いもしなかったです。 


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子供の頃雪が降り夜中に冷え込んだ翌朝は、軒先にツララができたものです。屋根の雪が溶けながら滴ごと凍ってできるツララは、日の光を受けて美しく輝いたものでした。最近は温暖化のためでしょうか、なぜかツララをみかけなくなったのです。雪国の象徴であるカマクラや雪だるま、もっと降ると雪を積み重ねてスロープを作り、家の周りでスキーやソリ遊びをしたものです。どんなに寒くともへっちゃら、長靴の中に雪のかたまりが入ろうが、吹雪いて前が見えなくなっても雪合戦をして遊ぶ日もありました。犬は喜び庭駆け回ると言いますが、子供こそ犬のように駆け回って遊んだのです。手足がしもやけで真っ赤な子供がいっぱいいましたからね。



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 パチパチと音をたてて燃え盛る薪ストーブの火を眺めていると、そんなことを思い出したりします。熱いコーヒーを飲みながら、窓から見える景色と風の音に耳をすませてみてください。もしかしたらあのカラマツの木の上に又三郎が。。。
 
  どっどど どどうど どどうど どどう 
  青いくるみも吹きとばせ
  すっぱいくゎりんもふきとばせ
  どっどど どどうど どどうど どどう
  どっどど どどうど どどうど どどう
                          「風の又三郎」
  


  無ら里は、そんなことを想像しながらゆったりくつろげる空間なのです。







by miki3998 | 2015-01-20 03:51 | 花巻  宮沢賢治 | Trackback | Comments(2)

花巻教室のこと その1

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 ポカポカと陽のあたるテラス側の壁には髙橋静子さんのストールやショール、そして柿渋をつかって染めたバッグなどが展示されています。
 私の花巻での教室としてお借りしているB&Bレストラン「無ら里」さんです。
 鎌倉を夜にたって、着いた翌日には打ち合わせでお邪魔してオーナーの滝さんと近況報告やらサロンのお客様の状況を把握します。
 無ら里さんの店内の壁には季節に合わせて絵がかけられているのですが、時折こうして県内の作家さんの作品が展示されることもあり、私はもちろん、いらしてくださるお客様も楽しみにお食事をされています。偶然ですが、髙橋静子さんとは高校の先輩後輩の関係であることが判明、ご自宅で機を織りながら、県内のショップやイベントに出品されているそうです。そして嬉しいことに、その静子さんも花巻教室に参加してくださいました。 

  
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 サロンの日、実はボタ雪に始まり、粉雪、そして時折吹雪いたりの変りやすい天候でしたが、丁度レッスンの始まる午後2時には陽も差してテラス席はこんな感じで外の寒さが想像できないほど暖かい時間を過ごせました。テーブルには折形用の奉書と紅柾という赤い紙、そしてお持ち帰り用の懐紙が用意されています。予告通り、懐紙でポチ袋と箸袋を作り、奉書と紅柾で花包みの折形体験をしていただきました。案外水引きの結び方で戸惑う方や、懐紙の使い道が広がったと喜んでいただいたり、みなさまの反応もいろいろで、私自身気づきの多い時間でした。

 
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 こちらはお母様とご一緒にお二人で毎回参加されるお嬢さんの花包みです。
 1月はまだまだ花のない季節。東北の春はちょうどゴールデンウィークあたりに、木の花が一斉に咲きます。それまでは庭も畑、道も公園もすべて真っ白な世界で土さえ目にすることができません。1月と言う新しい年の始めに、ちょっとだけでも華やいだ空気を感じたいものです。そこで選んだのがシンビジウム。花巻の農協にお一人だけこの花を育てて出荷をしている方がいるとお聞きし。サロンのために特別にご用意していただきました。どの花も活き活きして蕾もたくさん付いています。こうして包んで差し上げたら、いただいた方も喜んでくださるでしょうし、しばらくこのままテーブルに置いても、待ちわびる春を目で楽しむことができます。今月のテーマ「テーブルに春を」は、陶器の菓子鉢やガラスのサラダボウルなどに低く生けるアレンジをご紹介し、皆様お一人お一人にこの花包みでシンビジウムをお持ち帰りいただきました。 

 
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 レッスンが終了し、オリジナルスイーツのプレートが運ばれる頃には、外はまた雪が降り始め、時折ゴーッという風の音も聞こえます。遠くお隣の秋田県に近い所からいらした方は無事帰宅されたかなあと心配になるほど、吹雪いてきました。除雪された路肩の雪は腰ほどまで積もり、轍も吹き付ける雪ですぐに覆い尽くされます。蝋梅や椿の咲く北鎌倉ですと、梅春の一月は香りも付いて来る季節ですが、ここ岩手の花巻は、まだまだ春は遠いのだと改めて雪国の暮らしの大変さを感じた一日でした。

 ※次回の無ら里サロンは、3月は13、14日の両日です。テーマは「春の模様替え」として、季節の草花と色彩や素材にこだわったファブリックのご紹介、ちょっとだけチクチク(縫い物かな?それは当日のお楽しみ)?です。


 


by miki3998 | 2015-01-19 22:56 | 花巻  宮沢賢治 | Trackback | Comments(0)

 『大人になること』  いわさきちひろ

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                岡本帰一  サンリンシャ『コドモノクニ』より 1926年 


人はよく若かったときのことを、とくに女の人は娘ざかりの美しかったころのことを何にもましていい時であったように語ります。けれど私は自分をふりかえってみて、娘時代がよかったとはどうしても思えないのです。―中略―
若かったころ、たのしく遊んでいながら、ふと空しさが風のように心をよぎっていくことがありました。親からちゃんと愛されているのに、親たちの小さな欠点が見えてゆるせなかったこともありました。
いま私はちょうど逆の立場になって、私の若いときによく似た欠点だらけの息子を愛し、めんどうな夫がたいせつで、半身不随の病気の母にできるだけのことをしたいのです
これはきっと私が自分の力でこの世をわたっていく大人になったせいだと思うのです。大人というものはどんなに苦労が多くても、自分のほうから人を愛していける人間になることなんだと思います。 
                             
   
  いわさきちひろ 「大人になること」(抜粋) 1972年 
     ※写真、文章共に、ちひろ美術館のFacebookからお借りしました。




 

by miki3998 | 2015-01-13 10:01 | 今日のつぶやき | Trackback | Comments(9)

季節のうた 

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 『初しごと』

 読み終えても、季節ごとにまたページをめくりたくなる本がいくつかあります。なかでもこの佐藤雅子さんの『季節のうた』は、いつも手の届くところに置いてあって(時にはバッグの中に忍ばせたり)キッチンに近いところというより、暮らしに近い位置においておきたい本です。

 たとえば今日は1月11日は鏡開き、「初しごと」というページを開いてみましょう。
「こちこちにかたくなったお餅を砕いてお汁粉に入れたり、甘酒を作ったりいたしますが、これを上手に始末することは、年の初めの主婦の手際と教えられたものでございました。」とあり、甘酒を作った時の失敗談が載っています。気取らず丁寧に綴られたその文章の美しいこと…読むたびに頷きながら料理の過程を想像したり、道具を整えたり、思わずキッチンに立ってその料理を作り始めてしまう…そんな素敵なエッセイ集です。有名な「私の保存食ノート」は実家の本棚にもありました。母が好きそうな本だなあと若い頃はただ眺めていただけでしたが、家族を持ち、またその子供が家族の長となり子供を持った今、あの本の行間からくるあたたかさやしなやかさこそ大切な宝物のように思えて来ます。家族の健康を守るための心配りの大切さ、工夫された家事。。。つつましく、いつも清潔で整頓された雅子さんの台所を想像しながらページをめくる楽しさ。この本は、湯気の上がった鍋の側にいられる幸せをしみじみ感じさせてくれます。
 元人事院総裁佐藤達夫氏の妻として、お母様はもとより、お姑様の教えのとおり料理や家事をこなしてらした聡明な女性。明治生まれの凛とした強さと奥ゆかしさ、家族に注がれる愛情が、料理や暮らしぶりに現れている素敵な一冊です。


  



 眩しいほどの日差しで少し遅く起きた朝です。昨夜は週末の花巻教室の準備。ついあれもこれもと荷物が増えます。年老いた両親の好物も入れました。15日の小正月は女正月でもあります。思うように動けなくなった母の代わりに、この時期に作る豆餅や胡桃餅は私が作ろうと思っています。レシピはと聞いたら、きっと母はこう答えると思います。

「そんたなもの ねのっす。おら おんばさんがやるのみでおぼえだもんだ。失敗してもいいがら まんつやってみるごどだなは。」


 






 


by miki3998 | 2015-01-11 16:30 | 読書 | Trackback | Comments(0)

岩手のみなさまへ 無ら里サロン『 テーブルに春を...』のご案内



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  来週16日、17日は岩手は花巻での「暮らしのエッセンスサロン」がございます。昨年の秋から始まり隔月での開催ですから今回で3回目になります。前回は遠く徳島からお越しいただいた方も...私がブログを始めた頃から読んで下さっている方でした。他にも気仙沼から車でいらっしゃる方、盛岡から、青森からと、会員の方は花巻に留まらず集まってくださっており、毎回ありがたく心から感謝しております。
  私は毎回月曜日のラジオの仕事を終わらせた足で花巻に向かうのですが、できるだけ草花もお伝えするコンテンツも地元岩手花巻にこだわったものをセレクトしています。身近に素晴らしいものがあるのに、案外気付いていないことがあるものです。まずは岩手の野草や木の花に目を向け旬のものの力強さを感じて欲しい、今そこにあるものにはきっと意味があるのです。そんな思いからなるべく早めに花巻入りをしてあちこち歩き回ります。無ら里さんをお借りしての二日間、2時間という短い時間ですが、暮らしに役立つコンテンツをご紹介したいと思っています。


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 花巻の1月と言えばあたりは真っ白な銀世界でしょう。子供の頃は、雪が降る度に犬のように駆け回って外で遊んだものです。寒さなど関係なく空から降りて来る白いものに分けもなく期待をしていたのかもしれません。大人はそうゆうわけにもいかず、雪国ならではの苦労もあり、まただからこそ厳寒の長い冬を辛抱して越す工夫がありました。ネコヤナギの銀色の花穂が膨らむ頃、春先の小川のせせらぎの音の清らかさと、雪解けの土手の真っ黒な土の暖かさは格別であり、うぐいす色のバッケ(ふきのとう)がいっそう愛おしく思えるのです。 


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 いまや都会と地方との距離的なギャップは解消されていると言っても過言ではないくらい、情報は寸時に伝わり、都会との差も感じなくなりました。しかし気象の違い、天候の差は消えません。長い冬をどう越すか、1月のサロンは、暮らしに役立つ折形のご紹介と『テーブルに春を...』と題して、蘭の花を低く生けて楽しむ方法をご紹介しようと思っています。長い冬の間、丹誠込めて育てられたシンビジュームが花巻の市場に並ぶのを私は知っています。黄色に桃色、そしてうぐいす色の蘭たちがモノクロの冬を暖めるかのように咲く姿は、厳寒の東北だからこそ愛おしさと厳かさを感じます。また『折形』はお正月だけのものではありません。普段の暮らしの中で生かせるものを実際にご案内し、体験していただこうと思っています。当日お使いいただけるよう、みなさまには蘭を木の花包で、また鳩居堂の懐紙をお土産にご用意しております。
  1月11日は鏡開き、そして15日は小正月(女正月)...そして2月の節分を過ぎても東北の春はまだまだ遠いのですが、新しい年を迎えて心身ともに清々しく、また自分なりのスタイルを少しずつ作り上げてゆく楽しみをこのサロンでご紹介してゆければと思っています。 花巻での「暮らしのエッセンスサロン」、ご予約はB&Bレストラン無ら里0198−24−2026まで。どうぞよろしくお願いします。





 

by miki3998 | 2015-01-10 15:02 | 花巻  宮沢賢治 | Trackback | Comments(0)

風と海と丹沢が好き。山の家での毎日を綴っています。鎌倉FMのパーソナリティです。


by miki3998
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