『Seascape 海景 風をめぐる旅』 矢部洋一』
2011年 06月 28日
先週24日、BS朝日の番組『SMARTLOUNGE』(毎週金曜日pm11:00から)に、鎌倉出身の海洋冒険家白石康次郎氏がゲストで出ていた。ロケ地は逗子マリーナ。お天気にも恵まれ、司会の高橋克典と下平アナウンサーがヨットの操縦体験をしながら、白石氏の素敵なライフスタイルを紹介するという内容だった。
彼はエキサイト公式ブロガーとして公私共に豪快かつ愉快なブログを綴っていて、以前から拝読している。(新型ボルボの試乗を兼ねた湘南ドライブの記事も楽しかった。)
番組は世界一周を達成するまでの何度かの失敗談や居合い術を習っている理由、彼独特のこだわりのマリングッズの紹介や海の上での留意点など、数々の面白いエピソードを交えて2週に渡って放送された。(面白かったのは白石氏は船酔いをするらしい。笑)
そこにご一緒していたのが、白石氏の専属カメラマンでマリンフォトグラファー矢部洋一氏だった。彼ほど世界の港街を旅してまわっているカメラマンはいないと白石氏が絶賛していた。きっと彼独特の感性で海を、港を、そして船を撮っているのだろう。番組では矢部氏の興味深いお話と写真集も紹介された。見てみたいな、その写真集。。。そこで思わずAmazonをポチッ。(いけないな、この習慣)
注文した本がこれ、今日届いた。
世界の海が、船が、大型のグラビアいっぱいに写されていて、鳥肌がたった。
中でもロサンゼルスからハワイまで『トランスバック』という名のレースを追った
10日間の航海の記憶が素晴らしい。
そこに添えられた矢部氏の言葉の美しさ。
カメラの向こうの被写体を、彼は目で追うのではなく、心で追っているのかもしれない。
拙い私の説明よりも、ぜひ手にして見て欲しい。
風景という言葉、
風の景色か。
うつろいと、確かさと。
刻々と変わりゆくすべてのもの。
写真がとらえるのはその一瞬のなにか。
人間が見ているようでみえてはいない、
変化の途中のその一瞬。
海辺に、海に、旅を続ける。
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夜明けの光は荘厳に
夕暮れの光は孤高な鋭さをもって。
雲間から射す光芒は波頭を輝かす。
カリフォルニア沖の寒流を斜めに横切れば、
船は北東からの貿易風に乗り始める。
ハワイに向かう我々にとっては恵み深い追い風だ。
少しずつ、風に暖かみがましていく。
「 海景 風をめぐる旅 」 矢部洋一 <舵社>