風鈴の似合う家

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 鎌倉の友人宅。おばあさまの代から別荘として使っていたのだとか。いつもは隣りの母屋に通されるのだけれど、昨日初めてこちらに招かれた。彼女とはもう20年来の付き合いになる。久しぶりにゆっくり話したいから外食はやめて家で食べようということになり、手土産に弁当と果物を買って行った。彼女も忙しい身、面倒はかけたくなかったのに、約束の時間にお邪魔したら、お手製のぬか漬け、お吸い物まで用意されていた。マメな彼女らしい。ふた間続きの和室で、床の間には季節の草花が生けてあり、年代物の調度品、お琴や茶釜がさりげなく置かれている。ひろびろとして落ち着いた日本間でどこか懐かしい匂いがした。広い縁側には南部鉄器の風鈴が鴨居に掛けられていて,時折吹いてくる浜風をうけて涼やかな音色を聞かせる。こんなもてなしが心地いい。


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 彼女はブログを読んでいて、長男の結婚も新しい仕事のことも喜んでくれた。最近ブログが滞っていたので,体調を壊しているんじゃないかと。。。ブログは会えない友と繋がり、今の自分を伝える役目も果たしている。拙い文章の中に込められた思いが友の元に届いていたのが嬉しかった。心配かけないようにしなきゃ。ゆっくり食事をしながらお互いの近況を報告し合い,おおいに笑った。育ちのいい彼女は屈託のない笑顔がよく似合う。
 先日のブログ、『海と風と白い舟』の話題になった。彼女のパートナーもあのレースに出ていたと言うのだ。その前の沖縄東海レースにも。。。マリーナで仕事をされているのは知っていた。家のことは彼女に任せて、一年中海の上にいると言っても過言ではないくらい彼は、数々のレースに関わっているそうだ。その艇の名前を聞いてさらに驚かされた。あの艇のクルーなら、きっと頼もしい助っ人に違いない。いつしか話はヨット仲間の話題に。思いがけない急展開は、ブログに書いていいと彼女からお許しが出た。世の中は狭い、ほんとうに。

 北鎌倉にもどったのは6時ちょっと前。日が落ちるのがはやくなった。エントランスデッキに置かれたキャンドルの灯りが辺りを青い夜に変えていた。



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                      < カフェ・ミンカ >

 
by miki3998 | 2012-09-08 10:29 | 鎌倉・北鎌倉

森とラジオと食卓と…草花の仕事とラジオパーソナリティ、やってます。


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