『日本の伝統色について』 北鎌倉円覚寺夏期講座
2013年 07月 28日
7月21日日曜日、この日も暑い日でした。かねてから尊敬する染織家吉岡幸雄さんの講座が開かれるとあって、レッスンを午後にまわし、生徒さんと一緒に受講してまいりました。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、吉岡さんは江戸時代から続く染屋「染司よしおか」の五代目当主で、伝統的な植物染めを受け継がれていらっしゃいます。興味深い染色のお話を聴けるとあって、会場は満員。私たちは会場とは別室に通され、スクリーンによる講義を拝聴いたしました。
「挑戦するんですよ、昔の人に。」
染色について、分かり易くかつユーモラスにお話されながら、時折お見せになる笑顔は、以前観たドキュメンタリーの中の吉岡さんとは違う柔らかい表情をされていました。新しいものを生み出すためには古いものを学ばなければ、、、昔の人がそうしたように。日本の伝統色を守り育てて行くことは想像以上のご苦労があることを、(だからこそ魅了されるのだと思いますが)あらためて教えていただきました。
方丈前にそびえるビャクシンの木です。建長寺のビャクシンは樹齢750年以上と言われ有名ですが、こちらは樹齢何年なのでしょう。残念ながら痛みが激しく、外科的な処置をされたようですが、鎌倉市指定の天然記念物となっています。
思えばお昼間の円覚寺は久しぶりです。毎年8月のお盆には山門を囲むようにして盆踊りが行なわれ、私も必ず三日間のうち一日は参加しております。提灯の明かりの下、浴衣姿の若い人や家族連れがあつまり、輪になって踊る様は叙情的であり幻想的でもあります。そして北鎌倉にこんなにたくさん住んでいるのかなあと、いつも驚かされるのです。夏祭りや盆踊りを楽しみにしながら大切に守って行こうとする街の人たちの思いを感じます。(写真はその山門です。)
講座の帰り道、東慶寺近くで見かけた紫色のギボウシの花です。
紫色は吉岡さんが一番お好きな色、「紫は一番苦労する色だから。。。」とおっしゃっています。
高貴な色であり、どこか神秘的な感じもする紫。キキョウ、アガパンサス、イワタバコ、クレマチス、ツリガネソウ。。。紫色の花をあらためて思いだしますと、どれも楚々として清々しく、凛とした姿の花が多いと気づかされるのです。
行ってきましたよ。とってもよかったです。円覚寺さんの夏期講座は毎年人気で、この日もたくさんの人が集まっておられました。お人柄もあって とても柔らかい物腰と話し方で、あっというまに時間が過ぎてしまいました。色と彩、どちらも(いろ)と読みますが、後者のほうですよね。植物染めの奥深さはこの日だけではご紹介しきれなかったと思われますが、益々興味がわいてきて、日本の色彩の豊かさに魅了されます。
ギボウシの色の美しいこと・・・見とれました
(私の庭では7月はじめには咲き終わりました)
染織家吉岡幸男氏 見せていただきました・・・
(NHKテレビで何度か見た事が有ります)
美しい日本の色ですね。
樹齢?のビャクシンの木 何時までもそびえていて欲しいですね。
草いきれ↑の頁
この森を ぐんぐん突き進んでいくと 半夏生の繁茂する夢の様な場所に出会えるのでしょうか と想像しながら読ませていただきました 。
庭のギボウシはとっくに終わって、ライム色の葉が昨夜の雨粒を葉の上に残しているだけになってしまいました。夏草が元気よ過ぎて、歩くところだけ土肌が見えています。
吉岡さんはその道の第一人者ですから、きっと染色に携わる方意外でもご存知の方が多いと思います。素晴らしい方でした。
草いきれのあの森の奥にはあるんですよ、池のそばに半夏生の群生する秘密の場所が。マムシがでるので、独りでは行けませんけど。(笑)