5月の瀬戸内の海は穏やかで、空から見る船は白い軌跡を残しながら、まるで魚のように見えるのです。
山口での仕事は、すでにリピーターが楽しみにしていますとのメッセージを送ってくださるようになりました。時間をかけてゆっくりと、地元の皆様に「円座」さんと共にご贔屓にしていただけるようにと心がけてきましたので、そんなお便りをいただくと何よりの励みとなるのです。
今回も5/22.23日両日共にたくさんの方にお会いできました。お声かけをしてくださった円座さんのお陰です。ありがとうございました。
花材はいつもお願いする涼子さんのバラと鎌倉野菜のアーティーチョーク、そして円座さんの周りの初夏の野草を集めてブーケを製作。みなさん思い思いの色と形を楽しみながらのブーケ作りでした。お互いの写真を撮り合いながら、それぞれ個性を認め褒め合う情景もまた微笑ましいものです。
加えた緑はイタチハギ、円座さんの駐車場のフェンスの上から顔を出していたのです。紫色の蕊の上に黄色い小さな花がびっしり付いています。オレンジのバラ、紫のアーティーチョーク、そしてイタチハギ… ともすれば甘くなりがちなバラのブーケですが、イタチハギのお陰でシックにまとまりました。バラとアーティーチョーク、緑も自由に選んでいただきますから、私からのアドバイスはほんの少しのスパイスを加えるだけ。ヒメコバンソウも見つけましたので、そっと付け加えるとまるでベールをかけたような、それでいて奥行き感のあるブーケになります。
回を重ねるごとに、確実に生徒さんたちの力は伸びていると思います。そして何よりも嬉しいことは、身の回りに咲く野の草花に目を向けるようになったこと。季節は確実に変わってゆくことを路傍の草花が教えてくれるという、とてもシンプルな自然の仕組みに気づき大切にすることなどをお話しして終了いたしました。次回は秋の草花でリース作りをご提案したいと考えております。また皆様にお目にかかるその日を楽しみに…。
〈イタチハギ〉