星の王子さまと私
2007年 02月 18日
初めて手にしたのはいつだったのでしょう・・・小学生の時かしら。学校の図書館で、絵本だと思って開いたのだと記憶しています。その独特の挿絵と、登場人物、(キツネを含めてね) 最後のページのシンプルな線と一つの星だけの寂しい終わり方・・・私にはお話の内容よりも、その絵の中の、首をちょっと傾げたような王子さまの心細そうな表情だけが印象に残ったものでした。その後、学生時代にも何度か読み、そのたびに印象が変わった本でした。
昨夜放送されたテレビ番組『 ETV特集 星の王子さまと私 』、一時間半たっぷりと、作者サン テグジュぺリに関してや妻コンスエロへの深い愛について・・・など、たいへん興味深い内容でした。この本はいまや17冊もの新訳が出ているそうですが、私が読んだのはもちろんあの内藤氏が訳した「です、ます」調の文体で、とても穏やかで優しく言葉がスーッと心に入ってくるのです。まるで王子さまと自分自身がオーバーラップしたり、時には飛行士の立場になったり・・・大人になった今、それは単なる絵本ではなく、まるで哲学書のような存在の本となりました。
番組はこの本の「言葉へのこだわり」から始まり、署名人の感想だけでなく、一般の方の本に対するメッセージや大切にしているフレーズなどが紹介されました。私が大好きな歌舞伎役者中村 吉右衛門さんはこの本を座右の書としているそうです。
そしてもう一人、物語への深い思いを抱く方 作家の柳田邦男さんがこうお話をされています。
柳田氏の息子さんは14年前、この本をお父様にプレゼントなさったのだそうです。そしてその後自ら命を断ちました。この本は孤独を深く語った本だと締めくくっておられると同時に、命の尊さ、存在自体のいとおしさに関しても言葉を詰まらせながら説いておられました。
キツネと王子さまの会話でこんな部分があります。
「 心で見なければみえてこない 大切なものは 目には見えないんだよ 」
「Apprivoiser アプリボワゼ」 という言葉がキーワードのように、本来の人間関係は、手っ取り早く見た目で仲良くなるのではなく、時間をかけてゆっくり目には見えない信頼関係を築くこと、さあ僕をアプリボワゼしてくれ(飼いならしてくれ)・・とキツネが頼むように、積極的に絆を作ろうよ、といっているように思えます。
私は王子さまはテグジュぺリで、バラはコンスエロだと思いました。我侭で勝手なバラに別れを告げて地球へきたのに、そのバラがいとおしくなり星へと帰っていくのは、ぶつかり合いながらもお互いを必要とする2人の関係だったかもしれません。見えている部分よりも見えない部分を心の目で見つめる・・・う~ん、私にも必要だなあ。
えっ、ということは私がバラで、主人が星の王子さま・・・・アハハ、誰ですか、そこで笑っているのは? 笑
私も子どもの頃ではなく、母になって子どもに読み聞かせたとのが、初めてだったかも。。。ココロに残っているのは、「大切なものは目でみえないんだよ。」というところですね。年を重ねるたびに、その言葉はココロに響いてくるようです。
また、読み返してみますね。
私もじっくり言葉の意味を考えながら読んだのは大学生の時だったと思います。小学生の時は、友達と図書館の本を読破する競争をしていたので、乱読でした。好きだったのは冒険物やミステリー、そして歴史物だったので、この本は軟弱な本・・・と誤解していました。
シンプルなメッセージですが、心に残る本ですよね。
『夜間飛行』という彼の作品、こちらのほうが好きだったのですが、この番組を見て、ちょっと考えが変わりました。44歳でコンスエロの元へ帰れず、海のかなたで命を落としたテグジュぺリを想って、コンスエロは彼の肖像画を彫ったり、彼と交わした往復書簡を大切に取っておいたり・・・彼女も心から彼を愛していたのでした。一度は分かれましたが、ぶつかり合いながらもお互いが求め合うなんて、素敵な夫婦だったと思います。
ファンタジーには違いないのですが、わずか100ページの物語の中に、いろんなメッセージが込められていますね。
『 大切なものは目で見えないんだよ、心の目で見るんだ 』
子供だけではなく、大人にも楽しめる物語で、酔っ払いも、ビジネスマンも、地理学者も・・・それぞれ意味があって、バラやキツネもそのメッセージの大切なヒントを与えてくれています。 また読み返したくなる本ですね。
「世の中に役に立たないことやもの」について、バラはそうなのか?とげはそうなのか?これを突き詰めていくと旧約聖書の神についてまで行きついたり、夜中まで語り合って青春しておりました(笑)
今でも心の中に残っている絵本の一つです。
バラは王子様にとって必要でしたものね!!もちろんmikiさんはバラよ。
作者についての番組も見たかったなあ。こちらでは放送されなかったのでは?
NHKで 最後にもう一度プロポーズしたとのことに
何か深い夫婦の絆を感じました。
王子様はバラにせっせと水を与えて・・愛して大切にして・・・・。
ミキ夫婦もそう。。ヴァレンタインデーでもありませんのに。。
え?一年中 こうなのですか?? まッ~~;失礼いたしました。みty
mikiさんご夫妻は、しっかりとした絆でつながっているんですね。すばらしいですね。
もしやキツネのしわざか!(笑)
星の王子様、読んでないんでしょうもないギャグしか言えません。
ずっと楽しく読ませていただいてますよという代わりです。
素直じゃないなぁ。僕。
人との関わりって、時間をかけて、ゆっくり信頼を少しづつ築くものなんですね。
僕も「Apprivoiser アプリボワゼ」に関してが一番印象に残っています。
訳としては、「心を通わせる」とか「仲良しになる」っていうのが合っているように思います。
僕は未熟で、mikiさんを傷つけるようなことを言ってしまうかもしれませんが、その時は寛大に許して下さいね。
ファンタジーなのかと思っておりましたが・・哲学の要素を含んでいるのですね・・フランス文学らしいですね!
数年前、リヨンにまいりました。降り立った空港は、サン・テグジュべり空港でした。リヨンは、サン・テグジュベリの故郷だそうです
あおもじのリース拝見させていただきました
とても爽やかで可憐なリースですね
mikiさんの作られるアレンジは、とても温かい印象ですよ・・
星の王子様。。。 この本に夢中の10歳の女の子が進級祝いに"わたしだけのバラが欲しいの"と言う回想から始まる スザンナ・タマ-ロの"心のおもむくままに"を思い出しました どちらも もう一度読みたくなりました
おすすめの"マーサ"見ました これ好きだわ!
教えて下さってありがとう しっかし この邦題には参りますね
いつも 愉しく拝見させて頂いています~*
理想とする方がまた一人増えました。
お花のアレンジもとっても素敵で、素敵なエッセンスを沢山持っていらっしゃいますね。
ブログをはじめて色々な方とお話させていただくと、自分の中身の希薄さにショックだったりします。お恥ずかしい限りです。
mikiさんのように、素敵な女性、そして妻・母に慣れるよう日々精進しなければ!!
リンクいただいていきますね(^^)
そうそう、私も下宿先(3人いました)の英文科の子と、朝まで同じような議論を交わしたことがあります。理論的なその子にいつも言い負かされていましたけれど・・・笑。
この本は読んだ時の自分の状態によって、感想も違ってくるから不思議ですね。でも正直言って、子供の頃の純粋無垢な思い出のほうがキラキラしていた気がします。 色々と汚れてしまっているので、 汗。
この番組は17日土曜日の夜9時から 教育テレビで放送されたものです。再放送されればいいですね。 そちらでは8チャンネルかな?
子供の頃は シャーロックホームズの冒険、モヒカン族の最後、飛ぶ教室、少女パレアナ、え~と・・・文学全集を片っ端から読んだのですが、星の王子さまは、どちらかといえば苦手なジャンルだと思ってました。たぶん小学3年生か4年生の頃だったと思います。5~6年の頃は伝記ものが好きで、津田梅子に憧れていました。
バラの我侭や気まぐれにあいそつがして ででったのっす。 笑
だども やっぱり めんこいんだべなあ。それに そったなバラでも とぎどぎ むぜあなぁどおもうんだべ。 だまってでも けってくるどごろは
うぢしかねんだがらっす。
いっとぐけど おらほは だんながバラで おらが星の王子さまだよ。
・・・って、なんじょなふうふだべ? 笑
しっかりとした絆で結ばれている夫婦・・・理想ですね。
コンスエロという妻がどんな風だったかは、詳しくは分からないのですが、亡くなった後も彼女は、テグジュぺリの銅像をつくったり、レリーフを飾ったり、夫婦の手紙を大切にしまっていたり・・・やはり愛していたのですね。彼もこの本をまるで遺書のように書いて、1ヵ月後には帰らぬ人となったわけですから、コンスエロに対する最高の愛の証がこの本だったのではないでしょうか。 バラが私で王子さまが主人・・・だったら、と言う願望だけです。 笑
はじめはね、一昨日写したばかりの椿の写真を載せたのです。でも、やっぱりバラのほうがいいかなあ~と思って、去年の撮りためた写真からこちらに差し替えました。 まだ誰もコメントを入れていませんでしたから、大丈夫かなあ、と思ってね。
見てくれているのですね、 笑顔 ← これ、心からです。
benkeiさんのところに鍵コメで言いたいことがいっぱいあるんだけど、ブログがないんだもの・・・残念だわぁ。早く戻ってきてくださいな。
でも、こんな風な状態、結構楽しんでいるんでしょう・・・図星でしょ?
アプリボワゼ Apprivoiser は、私も「心を通わせる」とか、「仲良しになる」のほうがいいと思いますが、ここではあえて「飼いならす」を使いました。 飼いならすって、あまりいい意味に聞こえませんが、でも本当は一方が積極的に仲良しになりたくて近づかなければ成り立たない言葉のような気がするのです。 仲良しになるというあいまいな表現よりも、そこには強い意志を感じるのです。
倉橋 由美子さんの訳本をお持ちなのですね。ニュアンスが違うかもしれませんが、彼女の感性でかかれた王子さまも面白そうです。
長いお付き合いですもの、eagleiさんがどんな方か分かっています。言葉は時として誤解を招くこともありますが、大丈夫ですよ。アプリボワゼしましょうね。笑
絵本や童話と思って、読んでいらっしゃらない方もたくさんいると思います。息子に読んだ?と聞いたら、まだでしたから。タイミングもありますね。でも、大人になってからお読みになる方も多い本だと思います。
フランスに行かれたのですね。リヨンへはバカンスですか?
異国で味わうエキゾチックな雰囲気と、触れるものから受けた刺激が、また明日からのエネルギーとなりますね。 自分自身がリフレッシュできる機会、そろそろ私も欲しいです。
実は私もなんですよ。 しょうもない昔のことは憶えているのに、昨日の夕飯、さっきであった人、いま使っていたメガネの置き場所・・・すっかり忘れています。 ときどき冷や汗をかいたりして、息子に笑われています。 でもきっとそうしないと、新しいことも頭に入っていきませんから、どんどん忘れることにしています。アハハ、これって負け惜しみ?
このブログに書いているのはね、憶えていることだけなの。 その倍以上も忘れていますから。 気にしない、気にしない。くよくよしない・・・のが長生きの秘訣・・・って、これ実家の父の口癖です。年寄りに励まされているんですよ、私。 笑
『 マーサの幸せレシピ 』ですね。確かに邦題はちょっと・・・ですね。笑
『心のおもむくままに』ですね、読んでみます。 本って、自分の世界が広がってゆく楽しい道具です。ドラえもんのどこでもドアみたいなものでしょうか・・・??? 春休みのように暇な時間をもてあます息子も、今読書ざんまいです。経済を学びますが、その前にいろんなジャンルの本を読み漁っているようです。 若いっていいなあ・・・。
cocolonさんのお薦めの本、ぜひ教えてくださいませね。
おっと、それはどうかしら・・・理想の母でも妻でもないのですよ。
お花は好きなので、長いキャリアの分だけちょっと皆さんより知っているだけ。そして母としても妻としても落第点なの。おいおいお分かりになると思いますが、失敗の繰り返しなんですよ。
資格取得を目指して、どうぞ頑張ってくださいね。目標が有るってすばらしいことですものね。 できれば形よりも感性を磨いて、柔軟性のある女性になってください。きっと素敵なお花の先生になれます。そして何よりも草花への愛おしさを感じる人でいて欲しいですね。 応援しておりますよ。
アメリカでの生活、また新しい年をむかえて、もうすっかり地元の人になったのっではありませんか? たまに帰っての鎌倉や葉山の風景、さぞ懐かしかったことでしょう。 私も9日の金曜日、葉山の美術館にまいりました。夕陽が相模湾に沈んでゆく様は、素晴らしかったです。あの美術館のレストランが紅く染まって、外と内が一体になっているかのようでした。
我が家はみやちゃんちのすぐ裏側、大船に面した山の上です。みやちゃんは17日が誕生日でしたね。2歳私がお姉さんなんですよ。 笑
小さなことでの口げんか、大いに結構だと思います。羨ましいくらいです。 うちはね、怒ると口も利いてくれません。いつも私が謝っています、悪いのは向うなのですが・・・笑。 冷たい空気が嫌いなので、つい謝っちゃうのです。そのほうがラクだからです。 そうやって甘やかしてきました。 アハハ。
バラと王子様の関係、一見ハッピーですが、実はお互いが理解し合えていないということですよね。 棘はありますが、バラは一生懸命咲いているのです。水をあげて枯らさないように育てるのが王子さま・・・途中放棄して逃げてはいけませんね。心の目を持って、大切なものを見て上げなければ・・・ネ、先生!